本作の短歌を読み進めていくと、生活する中での割り切れぬ感情が追体験されます。近代短歌は日常の些細なことを描くものとして積み上げられました。生きていれば割り切れぬものが続きます。それを雑にせず読み手への配慮を持って編み上げていきます。古典でない、今の短歌はこういうものなんですよね。そのことを思い起こします。
私には読解力は無いので、変な解釈しているかもしれませんが、表現が詩的でおしゃれだと思います。特に後半の部分に映像や比喩が置かれていて、そこから、色々と考えてしまったり、心で感じてしまったりしてしまいます。短く小さな世界ですが、ぜひ貴方も読んでみてください。素敵な時間を過ごせると思います。