夏の終わりというものは不思議と、暑さと思い出に心が溶けてしまったかと思うほど、切なくて儚いものです。寄せては返す波が、夏の思い出を連れてきては、また消え去っていく。指先から砂のようにこぼれ落ちていく夏の思い出は、やがて心の中に降り積もる。そんな情景に想いを馳せつつ、誰もいない海辺で星空を眺めながら、夏の記憶を詠みたくなるよう作品集でした。