たまゆら ーそれはまさに水色のー
珍小鳥
憂い午後の 窓際叩く たまゆらの 単調な音 ぼんやりと聞く
春終わり いつの間にやら 夏となり けれど心は 雪の降り積む
我が近況を 短歌にて 詠むならば 後悔もまた 詠まねばならぬ
難病を 患いすでに 二十年 効かぬリハビリ 諦めきれず
引きこもり たくはないけど 車椅子 自由な身では ないと諦め
難病の 治るかわりに 不自由を 受け入れるなど 出来もしないと
雨音に 目覚めてみれば 雨激し 薄ぼんやりと 耳かたむける
薄氷(うすごおり)踏む思いにて パソコンをやうやう直し ため息をつく
起き抜けのしばたたく目で紅茶入れ 器の熱さに 冴え渡る朝
朝ドラで 短歌がとても 人気とか 詠み人増えるなら それもよかろう
まゆひそめ 少し寂しい 夜の闇 誰かの胸に 我が歌届け
同人誌 ようよう出して 即売会を 待てばコロナに 邪魔されるなり
待ちに待つ 即売会の 無期延期 あれもこれもと したかったなあ
SFを まず解き明かす 応募せし 作品の意味 知らぬ選者に
いつか逝く この世の果ての 沈まぬ太陽 海の汀に
我が心 師と思う 人がいて 言葉も交わさじ 亡くなっていく
苦しみて 持病を恨む 心持ち 誰かに言えれば いいのにな
神仏に すがれられたら 良いのだが 信仰できぬ 理性が邪魔する
不自由な 足の病に ため息を 抑えきれずに 昔を想う
時に倦み なにか楽しみ あるだろう 短歌を詠めと 叱咤されたし
我が心 弱っていると 常ならず 感謝の言葉が 丁寧になる
こういうコンテストに応募するのが楽しくて つい笑顔になる
たまゆら ーそれはまさに水色のー 珍小鳥 @chinkotorori_fake
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