ソロ冒険者レニー

 魔物討伐、採取依頼、肉体労働に、ドブさらい……様々な依頼を請け負う冒険者。


 レニーはその冒険者の集うギルドの酒場でいつも通り食事をしていた。


 端の席の二人席。二人組ペアの冒険者やソロ用の席で、である。


 ソロでこの酒場でいるとよく発生することがひとつある。


「相席いいかな?」


 声をかけられてそちらに顔を向ける。


 ソロと言っても固定のパーティーを組まないだけでひとりではない。レニーが誰かを助けることもあれば、誰かに助けられることもある。


 こうして誰か相席をすることも珍しくもない。


 ――誰かと再会すること。新しい出会いがあること。


 それを楽しみにしながら、レニーはいつものように、答える。


「──あぁ、良いよ。どうぞ座って」


 ソロ冒険者レニーは──今日も相席をする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る