番外編 君が目覚めるまでの物語
「未来は……どんな世界になるのでしょうか……」
「――は……?なによこんな時に!」
「あいつら本当に堕天者と契約しやがった……」
「アンチニルの元へ行ったのもこれを承知で・・・そこまでして力を欲するか」
「皆さん何か来ます!チモとダフネさんは自分の後ろへ!ドラセナさん!もう一度強化魔法を!」
「お任せください」
「デニア……彼らは本当にこれを望んだのでしょうか?」
「はぁ?当たり前だろ!?だから俺らが死ぬ気でここを護ってんじゃねぇか!」
「彼らの剣は後悔……しているんです」
「またそれか!? 1番強いお前がそんなだと、堕天者共をどうにかできてもこの国が亡ぶぞ! うっ!?」
「デニア!? 黒い光に呑まれた!?」
「なに……あれ……?地面からいきなり……こんなの……っ!!?」
「チモ!?嘘だ……!」
「オース!ダフネを!……っ間に合わない!」
「ダフネさん……チモ……あぁ……護れなかった……」
「オースまだ諦めないで下さい!!……オース!!」
「ドラセナ!ここから離れて下さい!」
「皆様……そんな……・人を、剣に……」
「ドラセナ!聞いて下さい!あれは私が何とかします!だから貴女はみんなの帰れる場所を護って下さい!!」
「……アルメニア様……ご武運を……」
****
『逃ガサナイ』
「これで終わりです……堕天者……」
『馬鹿ナ……ダガ オマエモ ツレテユク……』
「うっ……くっ……」
「……アンチニル……カートル、フォーリア、ベエル、ウォルフ……あなた達もこんな悲惨な結末になるとは想像もしていなかったのでしょう?……堕天者は倒しました……あなた達は……私よりは……生きながらえるでしょう」
「あれ程追い込んだのに??? 堕天者を倒しただと!? ち、近寄るな!化け物め! 4騎士! 奴らを使った武器は残っているな!?それで我を護れ!! メトシエラ皇国はもう一度滅ぼしに来れば良い!」
「堕天者共をどうにかできてもこの国が亡ぶ……デニアの言うとうりに……」
****
「あぁ……!!アルメニア様ご無事で……!」
「ごめんなさい……私が剣の言葉を気にしたばかりに……呑まれた4人は連れ戻せなかった……私も……呑まれた皆と同じ……時間がない……」
「デニア……チモ……ダフネ……オース……ドラセナ……」
「はい……私はここにいます……きっと皆様の魂もここに」
「ドラセナ……ありがとう……まるで、眠りにつくみたいです……」
「私もアルメニア様とこの剣を……ここで、ずっと……」
十二守護樹木……メトシエラ様……どうか……この世界を……
「――本当に……ありがとう…………」
剣現暦2832紀 メトシエラ皇国郊外
アルメニア・ロード・ロザレスは堕天者を倒し、一時はメトシエラ皇国と世界の危機を救ったが、仲間たちは黒い光の柱に呑まれ、救い出すことが出来なかった。
アルメニアは淡い光を纏いてドラセナ・レフレクシアに看取られた。
メトシエラ皇国は滅びその全ての歴史、信仰、技術、それらを含んだ全てを抹消された。
****
メトシエラ皇国撲滅から3年後
帝国暦元年
アンチニル王国はマンチニール帝国を名乗り、四柱聖剣を持つ4人の騎士を筆頭に、マンチニール帝国騎士団を設立し、
****
メトシエラ皇国撲滅から1000年後
帝国暦997年
世界一の巨大国家マンチニール帝国はその圧倒的な国力で世界を統治し平和を維持してきた。 他国を圧倒する国家戦力であるマンチニール帝国騎士団によって世界の約5分の1を統治している。
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