母音が全てaの短歌

佐倉島こみかん

母音が全てaの短歌

なだらかな身体 甘やかだったから 当たった肩は触ったままだ


雨傘は差さなかったが若かった あなた晴らさば彼方さらばだ


ばあちゃんが語った原っぱ真っさらだ 花屋があった狭間もパン屋


揶揄った「サマンサタバサ買ったなら」 まさか新たなサンタは貴方


「サラダ菜は柔らかかった?」語らった あなたが買った皿は空だな


ジャガバターやだ硬かった早かった「また半生か」あなた笑った


酒場ならさばたら・高菜チャーハンや秋刀魚さんまあったら 堪らなかった


ささやかな山茶花さざんかだから赤らんだ 貴女は変わった あらわな裸


鮮やかな朝はまだかな タカヤなら さらった身体分かたなかった


浅はかな貴女は赤らんだままだ 旦那なんかは構わなかった


重なった薔薇あからさま まさかだが「杏奈あんな?」刺さった 我が名は彩花あやか


去ったならまた鮮やかな花束だ!

――だから去ったわ、貴方は馬鹿だ


七夕は笹がサラサラ高かった『パパ帰ったら』母は黙った


固まった我が家は半ば墓場かな 割った皿から朱が祟った


バナナなら棚だったかな、皿かなあ? 貴女が去らば我が家は空だ


あらたかな山は彼方だ 朝はまだ 払った刀 鮮やかな赤


戦った山場は数多長かった あなたが待った暗夜は彼方


高かったサラダ爽やか ああ朝だ 我が家は絶った ただ過多だった


柔らかな若葉 朝晩カンタータ ハンバーガーは甘辛かった


なまなかな殻は我が名か 新たな名 変わったならば分かったからだ

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母音が全てaの短歌 佐倉島こみかん @sanagi_iganas

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