第26話 夜中の会話

スースー


「…ぐっすりと寝てますね」


「そうね」


星夜と紫織は、

毛布にくるまりながら眠っている日々を

見て小声で会話する。


部屋は、テレビも消したことにより静寂に包まれ窓からは、星々の光りが見える。


「改めてすいませんでした」


「ん?何が?」


「いや日々さんが色々騒がしかったでしょ」


「ふふ…そうだね

 でも楽しかったよ私の家と大違い」


「紫織さん?」


紫織さんは、ふふふと微笑んだ後と語りだす。


「私の家って古くから続く名家らしくて、

 ちっちゃい頃から厳格で厳しいくて、

 こんなに騒がしくて楽しい家

 じゃなかったの…

 だから、少し羨ましいわ」

 

「いやうちも基本的には、

 こんなに騒がしくないですよ

 騒がしいの日々さんが来た時位です」


紫織さんは、そうなの?って首をかしげる。


「ええそうですよ、

 いつもは、おじさんと2人で住んでいるんで」


「おじさん?」


「あっ…俺の両親幼い頃事故でなくなってて

 叔父に引き取られたんですよ」


「そうなの…寂しくない?」


「えっ…それは、最初は寂しかったですけど

 今はそんなに寂しくはないですね。

 おじさんと二人暮らしって言っても

 色々な人が来ますので」


「日々さんとか?」


「ええ…まぁそうですね。

 よく家に来ますね元親戚ってのも

 あるんでしょうけど色々あって、

 時々来てくれるんですよ」

 

「元親戚?」


「おじさんの元奥さんが日々さんの叔母さんでして」


「…あぁなるほどね」


その後も紫織さんに、叔父のことや自分の事など話をする。


「あっ…すいません俺の事ばっかり」


星夜は、自分のことしか話していないと気づき紫織さんに謝る。


「ううんいろいろな話を聞けて面白かったわ

 それに星夜くんのおじさんとも

 お話しする機会はあるでしょうから

 どんな人かも知れてよかったわ」


「あっでもおじさんは、

 今旅行に…」


「うんわかってるわ、だから私が一旦帰って

 またここに来る…いいえ引っ越してくる時にお話しするわ」


「…引っ越し?」


彼女の言葉に星夜は驚く。


「ええ引っ越し、もしかして星夜くん

 私が帰ったらもうここには来ないと思ってる?」


「えっ…まぁ」


そりゃそう考えるのが普通だろうと星夜は、考えていた。


紫織さんはどう見たって都会の人でわざわざ田舎に移り住む事はないし

あの言葉の数々のリップサービスのようなものだろうと考えていた。


「むっ…酷いわもしかして

 私が言った言葉も嘘だと思っているのね」


「それは…」


「…もういいわその態度で理解したわ

 私の言葉は本心で言った言葉よ

 あなたのそばにずっといたい」


紫織さんの真剣な表情から

本心で言っているのだとわかる。


「だから私は、この町に引っ越すわ」


「…でも俺たちは」


「そうね恋人じゃない残念ながらね

 でも引っ越すのは決定事項」


「なんでそこまで」


「貴方の事が好きだから」


「理解できない」


「そう?まぁ一目惚れみたいなものよ」


「俺が受け入れないかもしれませんよ」


「あら恋人になってくれないの?」


「うっ俺は紫織さんのことを

 よく知らないから」


星夜は、苦し紛れに言葉を発しながら首を下げる。


「なら知って行こう、

 それに…まぁ引っ越すのは

 別の理由もあるから」


「理由?」


「それは、秘密

 もし星夜くんが私の恋人に

 なってくれるんだったら話してもいいよ」


「……じゃいいです」


「頑固だね君は」

 

「ちゃんと恋人には、責任を持ちたいから」


「ふふ好きよそう言う所」


紫織の言葉に顔を赤くする。


その姿を見てふふふと笑った

彼女は、おもむろに立ち上がる。


「それじゃあもう寝ようか

 夜も深いし明日まで時間があるから」


そう言って、彼女は会話を終わらせようとする。


「…分かりました、

 確かに明日もありますからね」


星夜自身このままズルズルと会話しても

紫織さんのペースに飲み込まれる感じるし

眠気も出てきたのでそれを受け入れる。


二人は、寝ている日々を起こさないように気をつけながら電気を消して部屋の外に出る。


「それじゃお休みなさい」


「うんお休みなさい星夜くん」


二人は、そう言い合ったあと少しの間見つめあった後

気まずくなった星夜が気に視線を外し部屋に戻っていた。


「お休みなさい…私の運命の人」










「いや…気まず!?」







こんにちは、これで二章は終わりです。

結構グダってしまったのが反省点です。

三章は、もう少し構想を練ってから投稿したいと思います。


さて最後にここまで読んでくださった皆様には改めて感謝申し上げます。


皆様ありがとうございます。

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隠キャ星夜くんとおもい紫織さん 雪見桜 @kannko12

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