第25話 寝落ち

「あれ?」


「ん?星夜じゃんどうしたの?

 こんな夜更けに」


真夜中星夜は、トイレから寝室への帰る途中

テレビがある部屋から明かりが漏れており

何かと顔を出すと

そこには、紫織さんと日々さんの二人揃って

テレビを見ていた。


「トイレに…それより二人は、何を?」


「私は、何だか眠れなくて」


紫織さんは、そう言って微笑む。


「私は、何か起きちゃった」


そう言いながら日々さんは、

俺のお菓子をボリボリと食べていた。


「…太りますよ」


「大丈夫よ、私…体重調整失敗しないので」


「はいはい」


「何よ信じてないわね…

 あっそうよ星夜あんた

 ダイエットしなさい手伝ってあげるから」


「えっ」


「えっじゃなくて、

 星夜最近太り過ぎよ」


「私は、そんなに気になりませんが」


「いやこのぷよぷよ具合見てみてよ

 ほんと痩せな」


そう言いながら日々さんが俺の腹を掴む。


「そっそうですか?

 私は、いいと思いますけど」


そう言いながら顔を赤くしながら

紫織も俺の腹をツンツンする。


「二人ともやめて下さい」


「やめて欲しけりゃ痩せる事だね」


「うっはいはい分かりましたよ」


「よし言質とったからね

 それじゃ最初の命令ね」


「はいはい何ですか?」


「うむ最初に今からお茶を持ってきなさい

 今さっきから喉が渇いて仕方ないの」


「ハァ…わかりましたよ

 と言うか冷凍庫にあったでしょ」


「暖かいのが飲みたいの

 冷たいのお腹痛くなっちゃうから」


「わかりました紫織さんは?」


「私も頂くわ」


俺は、近くにあった電気ポットの電源をつけ

人数分の湯呑みを準備する。


お茶は、どれにしよう…?


「あっ美味しいのね」


俺がお茶を選んでいるのに気づき日々さんが

声をかける。


「はいはい」


星夜は、湯が沸くのを待ち

手際よくお茶を淹れ二人に差し出す。


「はい二人とも」


「ありがとう」


「ありがとうございます…ん…薄い?」


紫織さんがお茶を飲み首をかしげる。


「まぁ眠れなくなるんで」


「あぁそうだね」


そう二人で話していると

スースーと音が聞こえる。


その音の方を見ると日々さんが

ぐっすりと眠っている。


「あれ?寝てますね」


「そうですね…ちょっと毛布とってきます」


(寝つき良すぎるだろ…今の一瞬で寝たのか

 しかもお茶もちゃんと飲み干してるし

 …熱くなかったんだろうか)


そう思いつつ毛布を取りに向かった。

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