第24話 お泊まり決定
「日々さん」
「つーん」
「機嫌治して下さいよ」
「ふん」
頬っぺたを膨らませて、
そっぽを向く日々さんを宥める。
酔ってる事もあらのだろう
いつも以上に面倒臭い。
「私を騙して、自分達だけ高い肉食べて
卑怯よ!!」
夕食時日々さんが一人でバクバクと
肉を食べるのを見て
紫織さんが機転を効かせて追加のお肉を
冷凍庫に置いてあった安いお肉に変えて
いた。
俺は、一口食べた時に肉が違う事に気付いたが日々さんは、全然気づかずに、
高い肉だと思ってそのまま食べ
お酒をガブガブ飲み続け。
そうして、日々さんがお腹一杯になった段階を見て肉をまた高い肉に戻し
俺と紫織さんは、ゆっくりと高いお肉を
味合うことが出来た。
「そもそも貴女が肉を一人で
バクバク食べるからいけないんじゃない」
紫織の言葉が的確に日々を襲う。
「うぐッ…でっでも」
「それに星夜くんは、肉の味が変わったの
気づいてたよ」
「それは…星夜…
何で教えてくれなかったの!?」
「いや教えたら安い方
押し付けてくるでしょ」
「それは、そうだけど…うぅ…」
うわっ泣き出した…結構酔っ払ってるな。
「…星夜くん」
「あっ大丈夫ですよ
いつもの事ですので」
戸惑っている紫織さんに声をかけ安心させる。
「ほら日々さん機嫌直して、
今、電話しますので迎えがきますよ」
「迎え?いや!!
今日は、ここに泊まる!!」
日々さんが駄々をこね出す。
まぁ家には何度も泊まったことがあるから
それはいいけど…
「なに嫌なの?
ふーんはーん…なるほどね
さては、二人でいやらしい事しようと
考えてたんでしょ」
「なっ!?そんな訳…」
「はいそのとおりです」
「紫織さん!?」
「……冗談です」
「冗談ってあやっし〜」
「日々さん!!…ハァわかりましたよ」
「よし決まった!!
私は、いつもの部屋ね」
「はいはいって、どこ行くんですか?」
日々さんは、勢いよく立ち上がり
部屋から出て行こうとする。
「お風呂」
「酔っ払ってるんですから
気をつけて下さいよ」
はいはいと手を振りながら日々は、部屋から出て行った。
「自由な人ね」
「そうですね…すいません」
「星夜くんが謝る事ないよ
それより…仲がいいんだね?
先輩って言ってたけど
それ以上の関係に見える…」
「…まぁ色々ありまして、
なんて言うか親戚みたいな関係で」
「そう…もっと深い仲…例えば恋人とか」
「それは、ありません」
「!?……ごめんなさい」
星夜の余りにも無機質な声と態度に
紫織は、驚いてつい謝ってしまう。
「いえ…それでは部屋に居ますので
ゆっくり休んでください」
「…あっ…」
そう言って、星夜は部屋を出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます