第44話その後

 その後ダンジョンライブ社は新代表取締役に宮野圭悟氏を迎えたが、株価下落は止まらず世界一の座から陥落した。

 その後、株式移転でダンジョングループ社を完全親会社とし、ダンジョンライブ社はダンジョングループ社の完全子会社となった。


 時は遡りダンジョンライブ社の取締役会の前まで戻る。

 島本麗香は取締会で多数派を占めていた。それは間違いない。

 配信、魔石、ダンジョンライブ社の主要事業の全ては彼女の立案で、成功後の運営も彼女なしでは考えられなかった。


 だが、そんな彼女の法律すれすれ、または法律違反を良く思わない取締も中にはいた。

 さらに宮野元常務派。

 剛力は今回の告発を宮野元常務に事前に相談していた。


 肌は浅黒く、金髪で筋肉質、会社員どころか、会社の偉いさんにはとても見えない容姿だった。

 宮野氏を知らない人はサーファーとでも思うかもしれない。


「なるほどね、この音声を。ダンジョンライブ社はただでは済まないが、君はやめる気はないんだろ?」


「申し訳ございません。僕はこの事を世間に知らしめる事が使命だと思っています」


「いや、非難しているわけではないよ。麗香、いや、島本は調子に乗り過ぎた。このまま突き進めばいずれダンジョンライブ社は回復不能の打撃を受ける。今のうちに膿を出し切った方が良い。後の事は俺に任せろ」


「申し訳ございません。よろしくお願いします」


 この二人の計画通りに島本麗香専務はダンジョンライブ社の新代表取締役になることは出来なかった。

 そして彼女は壊れることになる。


 取締役会以後、騒動の対応や、株価下落を止めるために取締役の中で剛力を潰すという案もあった。

 所詮子供、今からでも動画が虚偽であったと無理やりにでも言わせようとしていた。


 だが、そのやり方は島本専務と一緒で、彼に音声を録音されて、さらなる事態の悪化が予想されることから、その案は却下された。

 さらに、有識者から例の音声は加工されたものでなく、元データを公開しただけであり、音声照合をし島本専務のものと相違ないと見解を出す研究所もあった。


 さらには、切り抜き動画も数百万、数千万回っており取り返しのつかない事態になっていた。

 ここまで言うとダンジョグループ系列の会社が倒産すれすれと思うかもしれないが、そんなことはなかった。


 ダンジョン関係の仕事はダンジョングループ系列で独占状態にあり、系列外の小さな会社のサービスはほとんど使われることはなかった。

 圧力もあったが、それよりも島本専務の作ったアプリの出来が良く、それ以外を使う必要性がなかったからである。


 業績回復の為に島本専務をダンジョングループ社本体の上層部に据える派と、島本専務追放派の対立がグループ内で起こっていくのであった。



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ここまでお読みいただきありがとうございました。

一旦ここで更新停止します。

再開時期は未定です。


新人作家の作品にここまでお付き合いいただきありがとうございました。

執筆経験に乏しく読みづらい部分もあったと思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


また再開した際には、よろしくお願いいたします。

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ニート配信者、引きこもって生活したかっただけなのに、うっかりダンジョンで無双してしまう ~魔法使えるのワイだけってマジ?~ 新条優里 @yuri1112

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