旅路に迷い、支配を受ける
なんかこう、遠出をしたんですよ。
学校発の、でっかいバスで行く、修学旅行的ななにか。スキー合宿かなにかのように、雪や寒さと、後はなんか妙にデカい……駐車場? というか、ホテル(たぶん)の前の空間の記憶が残っている。
とはいえ、夢の記憶というのは本当に曖昧なもので、こうして書いている間にも具体的に存在していた事実の記憶が混ざっていくのを感じている。
今回だと十カ月ほど前の札幌への旅行かな。
……え、そんな前? マジで? でもそうか。そんなもんだわ。
……ともかく、夢の中ではどちらかというと学生時分の制約に基づくタイプの旅行をしていた。
それは最終日で、後は帰るだけではあったのだけど、そういう旅行にしては珍しく、帰るタイミングはそれぞれでバラバラでも良かったらしい。そんなわけで、私は皆が帰るタイミングを逃して一人で途方に暮れていたようだ。
……冷静に後から考えると、それは帰るタイミングが自由だったと言うよりも、極純粋に間に合わなくて置いていかれただけだったのではないか、という感じもするな。まぁいい。先生だか、関係者らしい人も一部残っていたようだし。
----
ホテルだかのエレベーターから、直接アーケード街というか地下通路だか商店街だかに繋がっている、妙に破綻した作りのホテルでもたぶん結構色々あったと思うし、思い返す夢の記憶というのは極一部に過ぎないのはよく分かるが、そことは恐らく別のような、あるいはそこの話で帰る前にあったシーンなのかもしれないが、体育館での催しに参加させられた記憶もある。
細かいことはちゃんとは憶えていないが、なんかちょっと怖い学生がいたんだよな。性質で言うと、生徒会委員長的な。悪の。悪の生徒会委員長。
「悪の生徒会委員長」とかいう、創作でしか原則聞かないようなワードだけども、どの辺に悪性を感じたのかと言えば、なんかこう……真面目で冷たそうだったかな、みたいな感じだろうか。つまりは、自分自身の正義を絶対視し、それに属さない誰かを否定するみたいな。
そういう悪性は、自分自身の正義感の投影だったのかもしれない。彼は私だ、まで言うことはないにしろ、自分自身の無制限な極端な思考は悪に属している(のでほどほどにしようね)、という自覚は常にある。似たような性向でも、そういう反省が無い連中も多いが、そんなことはさておき。
そういう鼻につく感じの真面目な彼に頼まれ、なんか体育館でなんかをさせられたわけだ。いわく、身体や精神を操る紐に囚われてなんのかんの、みたいな。エロ同人かなんかか?
そういうシチュエーションが
なんでも直接肌から触れると精神も操るがどうこうみたいな触れ込みではあったので、最初は服を脱がされ云々なんたらと矢鱈と説明をされたのを憶えているが、ある程度勝手に動くらしいとはいえ現にそういう「作用」があるわけではなく、要するに「そういう演技をしろ」という話であるようだった。エロ同人の撮影か?
んでまぁ
「それ(脱衣)ってどこまで……?」
という旨の質問をした時に「自己判断で(=分かってるよな?)」という旨の返答なり意思表示を賜ったので、全裸も憚られるし下着姿に留めておいた。浅学ゆえ、別に扇情的な脱ぎ方は出来ていなかったが、そこはまぁ許されたらしい。男やしね。メインの辱めはそこじゃないか。
そんで宙吊りにされて、その生徒会長の……本当に生徒会長でいいのかは知らんが、指示に従って色々身体を動かしていたわけだ。目を時計回りにぐるぐる回してみたりとか。
指示された「右回しに」というのが、向こう側で言うどっちなのかが分からなくてだいぶ困惑し、物言いがついたのを憶えているが、妙に怖かったな。改めて断ったら何されるかわからん雰囲気があった。まぁそもそもジェスチャーも含みで指示されていた訳だし、その上で逡巡だの疑問を差し挟んだことが不興を買ったのだろうとは思う。
んでまぁ途中なんかがあって中断したり、その再開時に謎の表彰などを貰って「どこに持っとけっちゅーねん……」とか思いながら最後までやり遂げて、一旦それ以上はお咎めなしで解放されたのち、高校時代の(今もだけど)友人に労いの言葉(たぶん)を貰って、そういや帰らないと、と思い出した。おわり。
----
最後のことを考えると、旅行先で一旦解散後に、帰るのが遅れた連中の中で学校行事をやっていたらしいということになる気がするが、言うまでもなく色々とおかしいな。そもそもどこの体育館だよ。
あと、悪の生徒会委員長なんてやつは人生で会ったことない。誰やアイツ。
そしてこれは
フロイト先生なら欲求不満の一言で片付けそうではあるが、どうせならもっと直球で勝負してほしいところではある。頼むでホンマに。
牙古鳥夢日記 雅郎=oLFlex=鳴隠 @Garow_oLFlex
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。牙古鳥夢日記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
箇条書き日記最新/夢月七海
★31 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1,673話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます