雨と君

ソルト塩

第1話雨と君

目が覚めた

起きると汗がびっしょりで、何か悪い夢を見てた気がしたが思い出せない。

「う…ん」

時間は6時30分、日曜日に起きるにしては少し早い時間だった。

とりあえず、起きてしまったから朝ごはんを食べることにした。

「おはよう」

リビングにはもう起きて、結構たってるのか機嫌のいい母がいた。

「おはよう優斗、今日は起きるのはやいわね。顔洗ってらっしゃい。」

「うん。」

そうそう、優斗ってのは俺の事だ。うちは母さんと俺の二人暮しで父親はいない。なんでも女作って出てったとか…って朝から嫌なこと思い出したな。これも夢のせいかな?

顔を洗ったあと、ご飯を食べた俺はまだ7時なことを確認して、いつもしないことをしたくなり、シャーペンの芯が切れてるのを思い出した俺は、コンビニに買いに行く事にした。

「いってきます」

そう言って俺は、家の外に出た。

外に出るとあいにくの雨、雨が嫌いな俺は帰りたくなったが、出て直ぐに帰るのもなぁ、と思い少し早歩きで行くことにした。

コンビニに行く途中、公園を通ると近道出来るので通っていくことにした。

雨の日の公園なんて誰もいないと思っていた俺は一瞬、彼女に気づくのが遅れた。

その子は雨の中傘もささずに立っていた。

雨の中、傘をさしていない事に少しの違和感。

しかしそれを気にする余裕を相手に持たせない彼女の不思議な雰囲気に俺は少しの間息を吸うのも忘れて彼女を見つめていた。

彼女も俺の存在には気づいたようで、一瞬こちらの方を見たがすぐに目を逸らし、どこかを眺めているようだった。

俺は思わず声をかけた。

「なに、してるんですか?」

「…」

彼女は答えなかった

それでも俺は気になり、もう一度声をかけた。

「風邪引きますよ!」

無視をするのも難しと思ったのか彼女は一言

「放っておいて」

それだけ話すと、また無言になった。

これ以上は無駄だ、そう思った俺は彼女を忘れようと小走りで公園を出た。

それでも彼女のことが気になり、家に帰ったあともずっとその事を考えていた。

気づくと寝ていたようで、母さんが

「夜ご飯よー、起きなさい。」

と起こしに来た。

俺はまだ頭から彼女のことが抜けないものの、母さんに心配をかけるのは良くないと思い、すぐにリビングに向かった。

だけど俺がボーッとしてるのを見抜いた母さんが

「何かあったの?」

と俺に聞いてきた。

「なんでもないよ、ごちそうさま」

俺にはそう口に出すと食器を片し部屋に戻った。

なんで嘘をついたのかは、俺にも分からなかった。

ただ心配させたくなかったのか、俺にも何かわからなかったのか。

考えすぎて疲れていた俺はベッドに入ると直ぐに眠れた。



ピピピッ

アラームに起こされた。

今日は昨日とは違い目覚めは良かった。

あの不思議な女の子の事だけを考えて眠ったからだろうか。

考えても仕方ないと思い学校に行く準備を始めた。


準備を終わらせた俺は、時間にまだ余裕があることを見て、昨日の公園に寄ってみることにした。

だけどそこにあの子は居なかった。

そしてそのまま学校に行き、いつもの様に授業を受け、放課後、家に帰ろうとすると、幼なじみの光ヒカルが声をかけてきた

「どうしたんだ優斗、今日1日ボーッとしてたけど…」

そう聞かれ、俺はやっぱりバレるか、と思い昨日のことを光に話した。

「なるほどな…だからずっと話しかけても上の空だったんだな。」

そう言われ初めて自分がノートすら取ってないことに気づいた。

「俺、相当気になってるみたい」

光にそう話すと

「なら確かめるしかないよな、その子は昨日の雨の日の朝には居て、今日の晴れの日の朝にはいなかった。

できるだけ条件合わせるなら土日に雨が降るといいけど、とりあえず次雨降った日にまた公園に行けば会えるんじゃないか?」

光にそう言われ、俺自身彼女とまた会いたくて、次の雨の日を調べることにした。

その日はとりあえず家に帰り、天気予報を見てみると、明日は朝から雨が降るみたいだった。

そして次の日、朝起きた俺はすぐに準備をし、

公園に行くことにした。

そして公園につき、俺は見つけた。

彼女がいたのだ。

俺は急いで駆け寄り彼女に話しかけた。

「おはよう!えと、傘はささないのか?」

彼女は少しの沈黙の後こう答えた。

「あなた、なんなの?」

そう聞かれ俺は答えに詰まった

確かに彼女からしたら俺はいきなり声をかけて来た変なやつだ。

だから俺は正直に話すことにした

「一昨日君を見てから、君のことが気になってて、、」

俺がそう言うと、彼女は少し目を開いた後にこう言った

「あなた、変な人ね」

確かに今の俺は変な人だ。でももうここまで来たら変な人だろうがなんだろうが彼女と仲良くなりたかった。

「なあ、君はなんでここにいるんだ、それも雨の日に。

傘もさしてないし、学校は?」

俺は感じてた疑問を吐き出すように質問攻めにしてしまった。

そんな俺を見てうざったく感じたのか彼女は一言。

「私、もう死んでるもの。」

そう答えた。

俺は何を言っているのか分からなかった。

死んでるという彼女は俺の目に写り、動いている。

俺が混乱していると、

「未練があると幽霊になるって聞いたことあるけど、わたし何にもないと思うんだけどなぁ。」

彼女はそう言った。

俺は理解が出来なくても、とりあえず返事をしようと口を開くが言葉が出てこない。

そんな俺を見て彼女は笑った。

笑っている彼女を見ると少し、いや結構動揺していたはずの俺の心はふしぎと落ち着いた。

「まあ、でも、最後に人と話したかったのかも。

私死ぬ時1人だったから。」

彼女はそう言い、どこかへ歩いていこうとした。

そんな彼女を見て俺は思わず呼び止めた。

「また!会えるかな?」

彼女は少し驚いた感じで、でも笑いながら

「どうだろう?」

と言って歩いていった。

俺はその姿が見えなくなるまでずっと立ちつくしていた。



日曜日、俺は目を覚ますと母さんに花でも買ってきてあげようと思った。

日頃迷惑をかけてるからなにかしたいと思っての事だ。

玄関を開け、外に出ると雨。

いつもの俺なら気分が下がり、買いに行くのもやめるかもしれない。

でも今の俺は違う。

また、彼女に、あの雨が良く似合う少し儚げな笑顔をうかべるあの子に会えるかもしれないから。

だから今の俺は、雨が少し好きになっていた。





学生なので時間もなく、短く文章をまとめようとするとやはり説明不足感が否めない物になってしまいました。

いつか書き直しをするかもしれません。

では、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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雨と君 ソルト塩 @tmgtmgtmg9999

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