いつかの嵐のような犬
私たちの両親は巨大で荘厳なお屋敷にいて、私たち子ども達は大きな英国風のお庭の端にあるログハウスで暮らしていた。
ログハウスといっても単にログハウスと何故か呼ばれてるだけで、実際は何部屋も何部屋も鍵のかかる部屋が沢山ある特別な設計の離れで、子どものきょうだい達が暮らす為に作られた立派なものだった。
最初は私と弟だけだったけど、次第にきょうだいは増えていって今は何人この大きなログハウスに居るのか私には分からない。頭の良い弟は何故か把握していたけど、少し前に部屋がはなればなれになってしまったし、もう私には他の部屋に誰が何人いてどんな様子なのか分からなくなってしまった。
というのも、ママとパパしか部屋の鍵を持っていないので、自分らだけで外に出る事は不可能だった。ログハウスといっても中の部屋はコンクリで仕切られているし、外見だけちょっと豪華なログハウス?ってだけのじめじめして隣の部屋の音もよく聞こえないような頑丈な造りだった。
でも三食ごはんを貰えるし、ママかパパのお客さんが来る時はお庭でバーベキューしたりビニールプールで水浴びしたり、ママかパパのお友達?いや、あれもお客さんか、お客さんの絵描きさんや音楽家さんから色んな面白いお話を聞けるので、私はそんなに困っていなかった。
でも最近私が困るなあと思った事があって、それは弟の代わりに同室になった子が髪がべとべとで汗臭くて何日風呂に入ってなくても何とも思わないような汚い変人という事だ。
名前を聞いてもうんともすんとも言わないし、濡れたタオルで身体を拭いてあげようとしたら手足をバタバタさせて無言で癇癪を起すものだから一体この子をどう扱ったらいいかしら?と私は暫く頭を抱えていたのだ。
ある日急にパパに連れてかれて暫くして帰ってきたと思ったら、無理矢理風呂にでも入れられたのか、すっかりキラキラ綺麗な子になって帰ってきたので驚いた。本人は不本意そうにムスっとしていたけど。
「そんなに綺麗なのに何故今まで汚くしてたの?」
思わず思った事をそのまま口に出してしまったが、本当の事だった。
この世は綺麗な人が得をするように出来てるってママが言うし、私の事も綺麗だ綺麗だってパパも絵描きさんも音楽家さんも褒めるから、私はこの世で上手くやっていけるんだなって良い気になってたのに、あんなにベトベトで汚かったこの子の方がずっと綺麗じゃないか!少なくとも私にはそう見えた。
何だか凄く悔しいし、イライラする。
「別に質問に答えなくてもいいから名前くらい教えてよ!」
「人に名を聞く時は己から名乗るものだ」
どっからか引っ張ってきたような不自然に堅い口調で、しかも低い声で喋ったので、また私はビックリした。この子男の子だったの?しかももう声変わりしてるの?
ずっと年下だと思ってたけど本当は年上だったのかしら???
確かに弟も含めて何だかアジア系の子って私から見たら幼く見えるなぁとは思ってたけど、この美しい少年も本当は童顔なだけで青年の歳なのかしら?
色々考えて黙っていたらいつの間にか彼が反対側のベッドに飛び込んでバタバタとまた無言で癇癪の時の動きを始めたのでちょっと焦った。彼のバタバタは中々止まらなくて厄介なのだ。埃が舞うからやめてほしい。ほんとなんなのコイツ。
「私はパール!パールだよ!貴方は!?」
なるべく大きな声でそこのベッド上バタバタ美青年に聞こえるように言った。
「じゃぁ僕はクリスタル」
じゃぁって何だよ。今決めたの?何それ。やっぱり初日から変わらない「なんなのコイツ」という感情を抱きつつも、とりあえずここで名前が分かったのは幸いだ。
お庭ではたまに「おでかけ」イベントが発生してその時来ているお客さんからきょうだいの誰かの名前が書かれたメモが見せられてその子に渡すように頼まれたり、「あの子はなんて名前?」と聞かれたりするので、名前が分からないと困るのだ。
私はまだ「おでかけ」した事がない。私が指名されても何故か「やっぱり君の弟にするよ」と変更される事が多いので、結局弟が「おでかけ」する。
私も綺麗だけど弟の方が綺麗でしかも童顔で可愛いし、弟の方が賢いし、お客さんの会話に面白い返事をしたりするのがずっと上手いので多分皆最終的に弟の方にしようって思うのかもしれない。
「おでかけ」したらお客さんと一緒に家の敷地の外に出られるし、私は外をよく知らないので「今度はちゃんと譲ってよ〜」と弟に愚痴っても「ううん、絶対次も俺が行くから〜」とせせら笑うだけなのだ。ずるい。
本当にずるい。私ばっかり留守番だ。
今週もお庭でバーベキューがあった。
音楽家さん達の演奏が始まる前に、絵描きさんが私にこっそり「皆が演奏聞いてる間にこっそりおでかけしちゃおっか」って耳打ちして、やった!今度こそ外に出られる!車に乗れる!色んな景色が見れるかも!ってその場で踊っちゃいそうになるくらい嬉しかった!
嬉しかったんだけど、そう、嬉しかったんだけど、駐車場がある裏庭じゃなくて、ママやパパに「勝手に入っちゃダメ!」って言われてる母家のお屋敷に絵描きさんが手を引いていくから私は「おでかけしないの?」「そこ私入っちゃダメなんだよ」「ドライブは?」と色々聞いたんだけど黙って私の手を引いていくだけで、何だか段々怖くなって「ママとパパに怒られちゃうよ!」と立ち止まった。ママもパパも怒ると怖い。
本当にとっても怖いのだ。
「大丈夫。ママにちゃんとお屋敷の鍵を貰ってきたんだ。パパも知ってるよ。だから怒られないよ」と絵描さんは優しく言った。
「おでかけしよう」って言ったのに何でお屋敷の中に入っていくのかな。お屋敷探検しようって事だったのかな。お屋敷の中がどうなってるのかは外の世界と同じくらい気になってたので、まぁお屋敷探検でもいっか〜って私は思い直した。
そう思い直して絵描きさんについてお屋敷の方に行ったら、お屋敷の大きな扉の前に例のキラキラ美青年クリスタルがいたので、またびっくりした。
私はコイツにびっくりさせられてばっかりだ。本当にムカつく。
もしかしてコイツも弟みたいに私の「おでかけ」チャンスを邪魔するのかしら?
「ハートレイさん、僕に乗り換えませんか?」
私には全然笑いかけないのにハートレイ?という名前らしい絵描きさんにはそんなに綺麗に笑えるのか。しかもやっぱり私の「おでかけ」を邪魔するつもりだ。
弟もコイツも何で私の邪魔をするんだろう。
「有名な現代美術家のハートレイさん、今すぐ僕に乗り換えるべきです」
げんだいびじゅつかって何だろう。私は「絵描きさん」としか知らない。
しかも何で絵描さんの名前を知ってるんだろう?
ママにもパパにも「知っちゃいけない、聞いちゃいけない」って言われてるのに、ここのルールを知らなかったのかな?後で先輩として叱らなきゃ、だな。
そんな事をぼーっとキラキラ美青年クリスタルの魅力的な笑顔を見ていたら、右手で握ってる絵描きさんの手がいつの間にか手汗がクソやばかった。うわ。
その手がつるりと私の手から抜けていって足早にクリスタルに歩み寄り、クリスタルのキラキラ顔に付いてるキラキラ耳に何かをぼそぼそと呟いた。
やや軽蔑してるように見えるキラキラ目を急にこちらに向けて
「パール、走って演奏会にお戻り。『恋とはどんなものかしら』を歌うようにママが言ってたよ」とよく通る声で言った。
何その歌。私そんな歌知らないけど。
でも私が知ってる曲の中にそういうタイトルのがもしかしてあったのかしら?
曲は知ってるけどタイトルよく覚えてない歌もあるしな、ママが言ってたならママに確認したら分かるかしら?
色々考えて迷っていたらクリスタルが怒ったのかイライラしたのか
「いいから走れ!演奏会が始まるぞ!」と目をカッと見開いて怒鳴った。
本当にコイツは私をビックリさせる事しかしない。マジやめてよ。
いつの間にか屋敷の鍵を開けていた絵描きさんに腕を掴まれて中へ消えていくクリスタルを目の端で捉えながら演奏会をやってるはずの庭に走りに走った。
まだ音が聞こえないからもしかして私が来るのを待ってるのかもしれない。
お客さんを待たせているのかも。
お客さんをイライラさせるとママは私の両手を乗馬用の鞭で何度も何度も叩く。
少しでも気が利かないとパパは私の背中を火かき棒で焼き撫でる。
私は手袋をして洋服を着て傷を隠している時だけ綺麗。他の皆は違うのかしら?裸になっても綺麗なの?私は綺麗だけど、多分多分馬鹿で馬鹿で全然気が利かないからお客さんもママもパパもイライラさせて、沢山沢山怒られて、変な傷が沢山出来て、だから「おでかけ」出来ないのかしら。
あの日キラキラになって戻ってきたクリスタルは何も服を着てなかったし沢山の生傷もあったけど、それでも何処もかしこも何だか綺麗でピカピカだったな、と思い出しながら、私は少し泣きそうになりながら、『恋とはどんなものかしら』がどんな歌なのか思い出せるよう凄く凄く頑張りながら、演奏会場に走りに走った。
この庭は本当に広すぎる。孤独とはこんな気持ちなのかしら。
演奏会場に演奏会はなくって、というか、パパもママもいなくって、見たことない同じような服を着た深刻そうな顔の大人でいっぱいだった。
チカチカ光るライトの付いた変な柄の車が沢山止まってて、その車の中に何故か乱暴に後ろ手にされたお客さん達が色々騒ぎながら乗せられてるところだった。
「大丈夫?寒くない?毛布と、何かあったかいもの持ってこようか?」
同じような服を着た大人達の中の見知らぬ女の人がしゃがみ込んで突然私に話しかけてきて凄くビックリした。アイツが来てからビックリする事ばかりだが、全くどういう事か分からない状況で知らない女の人に何故か深刻そうに話しかけたれたのが一番ビックリで非常に恐ろしいと思ったが、この人もお客さんだったら失礼しちゃいけないと思い直して私はなるべく綺麗な高い声で囀った。
「すみません、ママは何処でしょうか?私は『恋とはどんなものかしら』を歌わなきゃいけないんですけど、どんな歌なのか忘れちゃったみたいだから、教えて貰わないといけないんです。ママに怒られちゃうし、お客さんにも迷惑だから、早く歌う準備をしないといけなくて……あ!もしかして音楽家さんですか?そうでしたら大変失礼致しました。どのような歌か知っていたら無知な私に教えて頂けませんか?」
ニッコリと笑う。笑顔が大事。
その女の人は何故かなるべく表情を変えないようにか唇を噛んでいて、でも酷く悲しそうな感情が隠れている気がした。
また何か無意識に失礼な事を言ってしまったかしら?急に凄く不安になってきた。
怒られてしまう。怒られてしまう。叩かれる。焼けて爛れる。痛い。嫌だ。でも。
どうしよう。クリスタルが扉の向こうに消える前にどんな歌なのか出だしだけでも教えて貰えば良かった。いや、演奏会なんて、ここには。ここには。ここは何?何なの?
クリスタルは嘘を吐いたの?どうして?許せない。ずるい。
他のきょうだい達は何処?ママとパパは?この人は本当にお客さん?誰?恐い。怖い。
不安で不安でもじもじして、知らない女の人がオレンジの毛布を何故か私にかけようとした時、背後から今まで聞いた事ないくらい美しい歌声が聴こえてくた。
何処かの知らない国の言葉で何かの曲を歌っている者が、真っ赤な服に着替えたクリスタルだと分かった時、私は何故かビックリよりイライラより、やたらと安心してしまった。
普段は低い声なのにそんな高い声も出るんだ。あとそんな難しそうな曲私知らないし。
やっぱり嘘じゃん。ずるい。わけわかんない。変なの。
何処がサビなのか正直分かんないけど一頻り歌い切って、私のすぐ近くまでやって来た真っ赤で綺麗なキラキラクリスタルが歌の内容を英語に直して教えてくれた。
「凍えそうに感じたのにすぐに燃え上がって、また凍えてしまう。外に何が待ってるのか分からない。昼も夜も安らぎが見つからない。でも嬉しい感じもする。色々省いて大幅に意訳しちゃったけど、こういう感じのイタリア語のアリアだよ」
「そんなの私分かんないし〜!馬鹿!」本当に嫌な奴。知らないよ、そんなん。
近くで見たら赤い服じゃなくて白いネグリジェが血で真っ赤に染まっているんだと気付いたが、クリスタルが今までで一番柔和で満ち足りたような声と表情で淡々と話すので、何だかそんなのどうでもいいやって自分でも訳分からないくらい可笑しくなって大笑いしてしまった。
こんなに心底沢山笑ったのは一体何年振りだろう。ママとパパの元に来るよりもずっと前な気がする。物心つくかつかないか、もしかしたら赤ん坊の時かもしれない。
オレンジの大きな毛布を握って笑ってる私の後ろに立っている女の人にクリスタルは「正当防衛です。ま、この状況見たら分かりますよね」と普段よりずっと滑らかな英語で素早く言い捨てて、顎で屋敷の方を見に行くようえらそうに指示した。子供のくせに。
そしてまた私の知らない言葉で何か面倒臭そうに独り言をぐちぐちぐちぐち漏らしていた。
何カ国語喋れるんだろう。もしかして私の弟より頭が良いのかな。
コイツは自分の弟じゃないのに、何でか急に誇らしい気持ちになって嬉しくなった。
コイツは本当に私の感情を乱すのが上手いキラキラちゃんで悔しい。
車の上にランプがピカピカしてる変な車に乗って何故かオレンジの毛布にくるまって私たちは何処かへ運ばれて行くようだ。知らない大人達はやたら私達を憐れんで心配してて何か超ウザかった。私は窓の外に見える世界に集中したいのに。
「これが外なの?なんか思ったよりワクワクしない。もっと綺麗かと思った」
「別に綺麗なものばかりが良いものってわけじゃないだろ」
「そうなの?例えば何?醜くて良いものって何かある?思いつかない」
「……犬、とか?」
「犬可愛いじゃん」
「あー僕が言ってるのはお金持ちが抱いてるみたいなトリミングされた小型犬じゃなくて、アジアのド田舎にいるよな小汚い野犬的なやつよ」
「そんなの見た事ないし、それのどこが良いの?」
「嵐みたいでかっこいいよ。むかつくやつの指食い千切ったりついでに病気にしてくれたりする」
「最悪じゃん」
「僕は好きだよ、そういう犬」
クリスタルは大人が持ってきた清潔な服を拒否して血塗れのネグリジェのままオレンジの毛布を肩にかけている。
「そういうのになりたいって思ったよ。気紛れに来る、汚くて醜い嵐」
血がこびりついてカピカピになった指を擦り合わせ、ボロボロと溢れる「げんだいびじゅつか」の赤黒く汚い血屑を眺めながら、本当にそうなりたいと願っているのだと分かった。
「クリスタルはすっごく綺麗で、頭も良さそうなのに勿体無いなぁ」
私は思ったより綺麗じゃなかった外の世界を見ながら、ちょっと呆れつつそう言った。
「お前本当の名前は?弟が今何処にいるとか気にならないの?」
「質問は一度に一個にしてよ。あと名を名乗るなら自分からって言ったのお前じゃん」
「うえのだんすいしょう」
「は?何?」
「名前。言いづらいだろ。スイショーでいい。同じクリスタルって意味」
「何だ、テキトーに言った名前じゃなかったの?」
スイショー、スイショー、言いづらいけど覚えておこうと馬鹿で信頼ならない自分の頭に繰り返し刻み込んだ。スイショー。意味はクリスタル。
「私はそのままパール。多分それ以外の名前ないよ」
「そっか、弟は?アジア系って聞いたけど」
「おでかけ行ってそれっきりらしい。何処か行っちゃった。たまにあるんだよね」
「あっそう」聞いたくせにすぐ興味無くしたみたいに彼も窓の外を見た。
何で弟の事知ってんだろ。教えた事ないのに。でも弟も何故かいつの間にか全部知ってますみたいな顔してるような奴だったし、全然似てないし多分ずっと年上だけど、少しだけ弟に似てるんだなって思った。
二人で暫く灰色っぽくてあんまり綺麗じゃない外を窓から眺め続けてたらスイショーが急にこっちを向いて真剣な顔をするから、ああこんなに綺麗なのに汚くなりたいなんて本当に何でなんだろ悔しいなって少し悲しくなった。悔しいな。
「きっといつか全部分かる。分かりたくない事が分かる。でも全部全部外の世界のせいでお前はちっとも悪くないしちっとも汚くなくてずっとずっと、どんなに年老いても自分がそうだと思えばずっと綺麗なままだから、不安になったら僕が今言った事思い出すんだよ」
急に年上らしい難しくてよく分かんない事を言い出すから、いつもの癖でニコニコ笑ってしまった。あ、馬鹿だって思われたかな。でも実際馬鹿だし。
「馬鹿じゃないよ、お前は。お前は全然馬鹿じゃないよ」
心を読んだようにそう言うから、このキラキラ美青年血塗れ人殺しクリスタルことスイショーは、何か人間じゃない別の悪魔か天使なのかなって思って、何だか自分が急に情けなくなってまた涙が出そうになった。泣くな、泣くなよ。
泣くと打たれる。いや、もう、そう、打たれないのかも。そう。そう。
「そう、さっきの歌、凄く綺麗だった。本当に恋の歌なの?凍えてるのに次の瞬間には燃えそうとか、外に何があるか分からないとか、気が休まらないとか……なんか私の事を歌ったのかなって思っちゃったよ」堪えていた涙が頬に流れてしまって恥ずかしくなった。
童顔のアジア人は急に老婆のような顔でくちゃっと笑って「僕もそう思う」とだけ言った。またずっと二人でそんなに綺麗じゃない灰色の街並みを見続けた。
ビョーインってとこで降ろされてスイショーも一緒に行くのかと思ったら、いつの間にかいなくて、やっぱり悪魔か天使か……それか嵐か犬だったのかなって思った。
すっかり中年といえる年頃となった今はあそこがどんな場所だったか全部分かっていて、本当に酷い酷い残酷なところだったと知って、今でもクソみたいな悪夢を見るし、常に抗不安薬を携帯してるし、それでもたまに起こる過呼吸でしにたい気分になったりする。
でも、いつでも今が人生で一番最高で美しい。私はずっと綺麗。
そして別に綺麗じゃなかったとしても全然悪くない。ちっとも。
本当にそう思えるようになるまで時間がかかったけれど、今は何とか大丈夫。何とかね。
あいつはあいつの希望通り、気紛れで面倒臭がりで血と泥に塗れるような汚い野犬のように生きていたら面白いのにな、と思って今でも少し笑ってしまう。
『恋とはどんなものかしら』は本当に難しいけど、隣の家の引越しパーティーで披露したら何だかやたら感激されちゃって嬉しかった。趣味で習った程度の出来だよ?
でもお世辞じゃないって、本当に褒めてくれてるんだなって分かった。
先日の歌のお礼にってさっきお隣さんから手作りのバロックパールのピアスを貰った。
歪んでいる真珠も悪くないどころか、中々素晴らしい。
愛とはこんなものかしら。
メゾン・ド・十三B 松村生活 @matsumuramurara
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