世界が、人が、生きている。

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未だシステムがよくわかっていないのですが、レビュー書かせていただきます。

面白い、圧倒的に面白い。

徹夜で、ぶっとおし、一話から、217話まで、18時間読んでしまいました。

何よりも素晴らしいのが、キャラクターが本当に生きているかのように設定がねられ、
キャラクターが装飾ではない、個性を持ち芯がぶれることなく成長していく。

普通ライトノベルでは、あからさまな口調や属性で個性を主張するがこの作品では、キャラクターがまるで本当に生きているかの如く、
思考し、強くなっていく。なぜなら彼ら彼女らには明確な人生があり。それが地続で続いていく(大事なことなので二回言いました)。

圧倒的に強い主人公も努力でそれを手に入れたというのも好感が持てる。
世の中には何の苦労もせずに、能力を得。それで説教までする主人公すらいるというのに。

そして、主人公がきっかけになり、仲間が「努力」で強くなる。そしてその努力の過程もしっかりと描かれている。
彼ら彼女らの人生がはっきりと見えてくる。生まれたときからここまでの人生をすべて形作った作者には、脱帽するしかない。

一応、一応だが。主人公がハーレムを形成していないのも個人的に好感が持てる。

主人公が、本当の主人公に向ける思い。ヴァイスが様々なルビで本当の主人公を呼ぶところも、
彼の心境を表していて(それは羨望や嫉妬でもある)、興味をひかれる。ああ、いま、ヴァイスはこう思っているんだな、と。

そして、彼ら、彼女らが世界を形成している。一つの視点では語りきれない「世界」。
それを彼ら彼女らの人生を覗く過程で、きれいに丁寧に教えられている。
ああ、この世界はこんな世界なんだと。

まさに「人が生きて、その過程で世界が生きている」。

ネタバレになるのでここには書けないが、主人公が転生してきた理由を知ったときは、度肝を抜かれた。
世の中には転生の理由が明確ではない、小説が多い中、この設定は素晴らしい。

一つ難点を上げるとすれば、ここまで人の人生を描くのがうまい作者様が、主人公の前世を描いていないことだ。
もしかしたら、今後明らかになるのかもしれない。が、私はそこが少し残念だ。

主人公の前世を形作り、主人公の核となる。
転生前彼はどんな人生を歩み、どんな人生が彼を形成したのか。

物語の一番の核となる。主人公の出発点。それが描かれていないのだ。
そう、すべてのキャラにある人生の出発点。それがただ一人主人公だけそれが描かれていないのだ。
そこがとても残念で仕方がない。

しかし、私がまだ読んでいないところにそれが書いてあるのかもしれないし。
これから描かれるのかもしれない。

私はそれをたいそう期待している。

このような作品に出会えたことを私はとてもうれしく思っている。

ありがとうございます。作者様には感謝の言葉しかありません。

願うのはこの物語が、彼ら彼女らの人生が、世界が、これからの結末(ハッピーエンド)まで、続くことを願っています。

私のこのレビューが、作者様のモチベーションを上げることを祈って。彼ら、彼女らの人生が続くように願い。
私が、このレビューが、結末まで続く一助になるように。彼らの未来を願っています。

本当に素晴らしい物語をありがとうございました。