358 ギャップだ
「一つ言えることは『ギャップ』だ。つまり意外性。普段落ち着いている子が、少し派手な衣装をしていたらどうだ? いつも怖そうな人が、可愛い系の服を着ていら? コスプレは普段の自分とは違うものになれるのがいい。それを生かせ」
いつもの教室。
クラスメイトにコスのいろはを伝えていた。
こいつらはまだまだ素人で何もわかっていない。
と言っても、俺も別に詳しくはないが。
これはポイントの為に仕方なくだ。
「ねえ、ヴァイスなんか詳しくない? この前のメイドのときも思ったんだけど……」
「確かにな。やっぱりコスプレが好きなんじゃないか――」
するとそのとき、
「おいお前ら」
「「は、はい!?」」
「シャリーがもしコスプレするなら何がいいか。答えろアレン」
するとアレンは、少し恥ずかしそうにシャリーを見つめた。
「え、ええと……ドワーフとか……?」
「理由は?」
「え、ええと、力持ちだし――いたぁっ!?」
「乙女にいう言葉じゃないでしょ!?」
俺は、はあとため息をはく。
「シャリーはよく笑う。それを生かしたほうがいい。だがそのままでは芸がない。例えば堕天使だ。するといつもの微笑みが意味深なものとなり、黒い翼も映えるはずだ」
すると、「おおおお」と歓声が上がる。
「骨付き肉、トゥーラをみろ。何がいい?」
「お、おう! そうだな……やっぱり力強いって感じだし、ゴブリンとか――いてぇえ!」
「乙女にそういうこといわないの!」
「はは! 私は構わないぞ!」
俺は、はあとため息をはく。
「オリン、そこに置いてある耳を取ってくれ」
「これ? うさちゃんでいいの?」
「ああ、うさちゃんでいい」
そして俺は、オリンからウサギ耳を手渡してもらい、トゥーラに装着した。
すると、「おおお」と歓声が上がる。
「トゥーラは抜群にスタイルがいい。そして美形だ。だからあえて可愛く見せる。わかるだろ?」
「「「「はい!」」」」
やけに男たちの声援が揃ってるな。
「ヴァイスどのは、ウサギが好きなのだな……わ、わかったぞ!」
トゥーラ、そのコス根性は嫌いじゃない。
なんか嬉しそうなのは気のせいか?
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ほのぼの回がちょっと続くので、文字数が少なくて物足りない人は、数日あけてまとめてみたほうがストレスがないかもしれないです!
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