357 流石だぜ

「いいじゃないか、似合ってる。だがセシルのような顔立ちなら碧眼でもいいな。衣装は白のショートパンツがいいだろう。魔法の杖は西から取り寄せる予定だ」


 すると、周りの男たちが騒ぎはじめた。


「流石ヴァイスだぜ。やっぱりすげえ」

「ああ、これは期待できるな」

「碧眼か、それはわからなかった」


 まったく、何が凄いんだ?

 そしてそこに、カルタが現れる。


 彼女は猫耳をつけていた。おしりには尻尾をつけている。

 獣人だ。森が好きな彼女らしいチョイス。


「ヴぁ、ヴァイスくんその……どうかな?」

「凄くいいな。特に尻尾がいい。だが、獣人に怯えは似合わない。右手を上にあげて、左手を少し下にさげて、ニャーと言ってみろ」

「え? は、はい。――にゃ、にゃあ」


 すると後ろから男たちの悶える声がした。


「は、破壊力がばつぐんだ」

「すげえ……これはもうたまらんぜ……」

「やっぱりヴァイスだな。ヴァイスなら間違いないぜ」


 ふむ、面倒な役回りだ。


「カルタ、にゃあのときは首を少し傾げたほうがいいぞ。その方が似合うからな」

「わ、わかった!」

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