356 コスプレ
大事な試験が終わり、ノブレス魔法学園は落ち着きをみせていな――かった。
むしろより一層賑やかになっている。
下級生、中級生、上級生が廊下の外に出て、色々な催し物の看板を手作りしていた。
「ヴァイス様、タオルをお取替えしますか?」
「ああ、頼んだ」
リリスは、俺のほっぺに暖かいタオルをピトッとつけていてくれた。
色々あって、ちょっと身体が冷たいからだ。
マリスは、闇の中でスヤスヤ眠っている。またいつか会う日まで、ゆっくり休むがいい。
「ノブレス文化祭は、今年も盛り上がりそうですわ」
「そうかもな。まったく、面倒な行事だ」
「ヴァイス様ならきっとまた一位獲れますよ!」
リリスが元気よく叫び、俺はため息を吐いた。
俺たちは下級生のとき、メイドカフェをした。
面倒ながらリーダーに抜擢された。
やる気はなかったものの、売り上げは一位で、結果的に伝説と語られるほどの成功を収めた。
そして面倒なこと、またリーダーを頼まれたのだ。
メメイドカフェのときも俺はよくわからなかったし、面倒だったし、やる気もなかった。
だが今回から売り上げの良いクラスにポイントが付与されとのことだ。
俺今はB級だ。これがもし一位獲れれば、B級+となり、もっといい待遇になれるだろう。
上級生と戦える機会も増える。
その為に、仕方なく引き受けた。
するとそのとき、廊下にセシルがいた。
「あら
表面上はポーカーフェイスを装っているが、少しだけ頬を赤らめている。
何度もバトル・ユニバースをしたから俺だからわかるのだ。
今回はメイドではなく、ありとあらゆる種族のコスプレをしようとなった。
セシルは、精巧な造り物を自分の耳を付け足していた。
白い耳がピンピンとしている。
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