349 幕切れ(アレン)
一生懸命に戦ったが、僕の剣は、ダリウス先生に届かなかった。
「じゃあなアレン、いい動きだったぜ」
僕が落ちると同時に、驚きのアナウンスが鳴り響いた。
強制転移の光が煌びやかに流れていく。
次に目を覚ますと、僕は初めの地点で倒れこんでいた。
そして驚いた事に、アナウンスの通り、ヴァイスが座っていた。
「君が落ちるだなんて……」
「……黙ってろ」
「主様は負けてはいません! あのミルク先生と引き分けたのですよ!」
「……え? 誰?」
「わたくしはヴァイス様の配下、マリスでございます!」
スタイルのいい露出の激しい女性が、そこに立っていた。
誰なのかと尋ねようとしたら、シャリーが現れて教えてくれた。
これが、あのデビだという。
……え? こんな感じだったの?
ヴァイスは、シンティアさんたちに連れられて少し項垂れながら歩いてく。
……はじてみるな顔だ。
だがマリスの言う通り、ミルク先生もその場に立っていた。
めずらしく、ほんの少しだけ疲労の影が見える。
引き分けというのは本当なのだろう。
そこからは待機していたが、ダリウス先生が次々と生徒たちを落としていく。
魔物の数が多すぎたらしく、そこで魔力を失ってしまったんだろう。
ミルク先生は、戦場を遠くから眺めていた。
ココ先生はヴァイスに絡んで嬉しそうにしていた。クロエ先生はいつもと同じ無表情。
試合は数時間後に完全終了した。
ダリウス先生が残り、僕たちの負けが確定した。
最後に戻ってきたダリウス先生が、生徒全員に声をかけた。
「生存ポイントはなしだが、撃破ポイントで計算される。一位はヴァイスだ。祠と同時にミルク先生を倒した。初めに俺たちを教員を止めたのもヴァイスだ。一番の手柄といってもいい」
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