333 バトル・ユニバース ②( セシルside )

 以前戦った魔人、ラズの攻撃範囲は二マスだった。

 そう考えると、やはりクロエ先生のフィジカルはとても強い。


「セシル、非常におもしろいです。次は自分で動くか、駒を動かすのかを選べるということですか。そして私も、この駒の一つと」

「そうです。ただし、クロエ先生のライフがゼロになって敗北すると24時間、魔力が練れなくなります」


 私の言葉に、クロエ先生は笑みを浮かべた。

 今まで一度も見たことがない、強者に対してにしか浮かべないであろう不敵な笑み。

 ああ、私を認めてくれたのだ。敵だと。


 もし対象がバトル・ユニバースを知っていても知らなくても、私と同じ年数をプレイしたであろう知識が、脳内に直接注ぎ込まれる。


 私自身はユニバースの王と同じで、移動はできても攻撃することができない。

 

 これは、不平等な真っ向勝負。


 魔法は、自身の性格や好みに反映すると言われている。

 まさに私のすべてが生み出したと言っても過言ではない。


 友達が欲しくて、遊び相手がほしい。

 だから、強制的にルールを覚えさせることができる。


 唯一違うのは、私だけが圧倒的な不利な状況で始まるということ。


 でも、私には自信がある。


 たとえ相手が誰があろうとも、この盤面ルールなら負けない。

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