327 恩師との戦い(アレンside)

「デューク! シャリー!」

「問題ねー! 無事だ!」

「私も大丈夫!」


 北の祠を見つけ、攻撃を仕掛けていたら、突然に砂埃がまって、風で吹き飛ばされた。

 周りが見えない。けれども、声はする。


 セシルさんのおかげで戦況はわかっている。

 ヴァイスはミルク先生と戦っていて、カルタさん、トゥーラさんとオリンは、残った下級生と中級生とサイクロプスと戦いながら南に向かっている。


 一番負担が軽いのは、現状で僕たちだ。だから、絶対に破壊しなきゃいけない。


 ようやく砂埃がはれたとき、祠の前に立っている、見慣れた人がいた。目


「よォ、こりゃ奇遇だな。まさかお前たちとは」


 大剣を構えたダリウス先生。 既に臨戦態勢に入っている。

 デュークをさらに大きくしたような体躯に、溢れる力強さが感じられる。


 おそらくクロエ先生の転移魔法だろう。


 ということは、ここはダリウス先生の祠か。


 残っている南と西の祠はココ先生とクロエ先生に違いない。


 そんなことを考えていると、寸前、目と鼻の先にあったのは、剣尖――。


 ――バリイイン。


 防御シールドエフェクトが響く。これは、シャリーが守ってくれた。


「――考え事して勝てるほど、俺は甘くないぞ」

「アレン、今は目先の事を考えなさい! あなたらしくないわよ!」


 シャリーの言う通りだ。手助けしてくれなきゃ、僕はやられていた。

 

 最初から全力だ。デュークはわかっていた。真正面から、ダリウス先生に右拳を打ち下ろした。

 しかし、大剣の腹で受け止められる。金属音が響いて、二人ともニヤリと笑った。


「古代魔法具の武器か。いい音するじゃねえか」

「先生のほうが、デカくてカッコいいっすけどねえ!」


 人数は有利。なおかつダリウス先生は祠を守らなきゃいけない。

 それでも、僕たちには足りてないものがある。


 年月も、経験も、魔力も。


 でも、今は勝つことだけを考える。

 

 それも、楽しんでだ。


 ――エヴァさん、さっそくお借りします。


 ―――――――――――――――

 あとがき。

 さてさて、アレンたちはどうなるのか!



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