324 本気であなたを倒す。

「ダリウス、クロエ先生、ココ先生、あまりにも時間がかかりすぎた。ここは私に任せてください」


「おいミルク、でもよお――」

「試合は、勝たなければ意味がない。違うか?」

「……いきましょうか」


 するとクロエが、ダリウスを飛ばした。

 同時に、後ろでココが叫んだ。


「ヴァイス。――やるじゃん! 悔しいけど、負けだよ。後は任せましたよ。ミルク先生」


 次の瞬間、クロエと消えていく。


「我が主様、私に考えが――」

「少し待機してろ」

「ど、どういうことですか!?」


 するとマリスが、悲痛な面もちで叫んだ。

 ったく、こいつの忠誠心高すぎるんだよな。


「自分の力を確かめたい。お前も俺の能力だが、今は待て」

「……ぐすん、承知いたしました……」


 ちなみにデビは、ずっとデビデビ言っていたがずっとこんな感じだったらしい。

 今は逆算してなぜか言葉がわかる。


デビ主様!」

デビデビ我が主、最高です!」

デビビビ!我が主、ああ麗しきお顔です!」

 思えば確かに同じだな。


 ……こいつ、本当に悪魔だったのか?


 ミルク先生は、ゆっくりと地面に降り立つ。

 今まで奪った魔力で飛行魔法を維持していたが、まだ俺にカルタほどの技術はない。


 同じように降り立ち、剣を構えた。


 今は師匠と弟子じゃない。


 対等な立場で向かい合っている。


 クソ、最高に楽しいじゃねえか。


「ヴァイス、私は嬉しいぞ。本気を出せることがな」

「俺もですよ。今日こそあなたを倒す」

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