311 ナンバーワン
些細なことだが重要なことだ。
何も戦闘のことだけじゃない。こいつに足りないのは自信だ。
外見なんてどうでもいいが、堂々としていることは誇りにもつながる。
それにま、結構可愛いしなァ。
「えへへ……」
パチンっと髪を止めると、いつもは隠れて見えない素顔があらわになった。
ハッ、そっちのが随分といいな。
「ルナ」
「は、はい。どうしたのですか?」
「ありがとな」
「……え?」
「約束を反故にした俺と毎晩遅くまで訓練に付き合ってくれたことを感謝してる。だが、それも全て結果を出す為だ。ここからは本気でいくぞ。気持ちを切り替えていけ」
ルナはカルタと同じで気弱な性格だった。
それでも成績を伸ばして、原作と違って前に出てきている。
逃げずに立ち向かったのだ。
もうはぐれメタルなどとは茶化せないな。
「うん……。ヴァイス君、私はあなたの目であり手であり足です。好きに使ってください」
「はっ、イイ心がけだ」
それに随分と俺好みに育った。
性格も悪くないな。
「ヴァイス、試合前に冷たい氷はいかがですか?」
「遠慮しておきます」
うん、やっぱりシンティア、お前がナンバーワンだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます