307 弟子と師匠

 タッグトーナメントから始まり、修学旅行でのリング集め、バトル・ロイヤルでの生き残りをかけた戦い。

 パートナー試験、上級生との熾烈な争い。

 俺たちは数々の試験を乗り越えてきた。


 授業も過酷なものとなり、ここへきて退学者も数名出ている。


 原作で活躍していた奴がしっかり残っている一方で、シャリーやカルタのように存在しない奴も大勢いる。


 ヴァイス・ファンセントとして目覚めてから、俺は多くの人と出会い、衝突した。


 そのとき、いつも俺を支えてくれる人がいた。

 リリスやシンティアと比べるわけではないが、かけがえのない大切だと心から胸を張っていえる存在だ。


 そんな師匠が、俺に声をかけてきてくれた。


「ヴァイス、準備は万端か?」

「できるだけのことはしてきましたよ。今日は、勝つつもりです。――ミルク先生」

「ふっ、威勢のいいところはお前の良さだが、それは無理だ。まだ、私を超えられるわけがない」


 相変わらずの自信満々で、腕を組みながらたゆんを――いや、今はそんなのはどうでもいい。


 俺はミルク先生を超えたいと本気で研鑽を積んできた。

 破滅を回避するのは当然だが、師匠として何度も立ちふさがってきた高い壁でもある。


 今までは足元すら見えなかった。背中すら見せてくれず、どこにいるのかすらわからない。


 けれども今回は違う。

 真正面に立ち、俺と真剣勝負をしてくれるはずだ。


 原作でミルク先生は教員じゃない。

 他人にあまり興味はないし、人と関わる事も避けていた。


 しかし今は違う。俺を、俺たちをみてくれている。

 

 試験の難易度は高いどころじゃない。

 三学年合同タッグトーナメントと同じで、負けイベントだ。


 先生たちはこんなにも強い。もっと高みを目指さないと、というプレイヤーを発起させるだけの。


 改変してココまで教員としている。

 どれほどの難易度か、想像するだけでも笑える。


 だが――。


「俺はいつまでも胸を借りるだけのガキじゃないです。それを、証明しますよ」

「ふっ、心意気は買おう。だがヴァイス、お前は本当の私を知らない。それを、見せてやる」


 ミルク先生はいつも言葉が強い。

 だが俺に対して煽り文句なんてめずらしい。

 

 ……対等だと、少しは認めてくれているんだろうか。


 ヴァイス、お前も楽しみだろ?


 待ってな。おもしろいものを、絶対に見せてやる。


 ―――――――――――――――

【あとがき】

 教員ずとの戦い、どうなるのかー!?


『怠惰な悪辱貴族に転生した俺、シナリオをぶっ壊したら規格外の魔力で最凶になった』

 発売日:2024年3月29日(火)

 (紙本&電子共に予定)

 

 【Amazonリンク&イラスト付き】

 https://twitter.com/Kikuchikaisei/status/1755186344601804896

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