286 白衣の守護天使、ココ先生。

「……いい天気だな。最高だ」


 ノブレスの中庭は、綺麗に刈り取られた短い芝生が。

 天気の良い日には、ピクニックをしている奴らがいるほどだ。


 早朝、大の字で横たわって日向ぼっこしていたのは――白衣の天使、ココだった。


「凄いですね。堂々としていますね」

「……しすぎだろ」


 俺は、ルナと一緒に偵察していた。

 シンティアとリリスは今ごろクロエ先生を見ているはずだ。


 それぞれ時間があれば情報を共有するようにした。

 俺たちは徹夜で訓練していたところ、ココを偶然見つけてここまでやってきた。


 彼女も授業を受け持つこともあるが、基本的には保健室にいる。

 ノブレスでは訓練服がない授業も多いので、怪我人は山ほど出る。


 魔力酔いといったどうしようもない風邪みたいなのもあるので、常に忙しいだろう。

 それを1人で捌いているということは、とてつもない魔力量があるはずだ。


 原作ではミルク先生と同じく終盤に登場する。だがアレンとのかかわりはそこまで多くない。

 こんな事ならば、公式ファンブック、ノブレス・オブリージュのすべてを熟読しておくべきだった。


「――すぅすぅ、ヴァイ君の匂い……すき……」


 すると、俺の首元から変な声が聞こえた。

 慌てて振り返ると、ルナの顔が真横にある。

 あやうくキス――いや何でもない。


「何……してんだ?」

「失礼しました。鼻が、勝手に動いてしまったんです」


 こいつの奇行は今に始まったことじゃない。

 ルナと友達になってから、彼女がおかしい事に気づいた。


 訓練が終わったあと、上着をやたら欲するし、俺の飲みかけのジュースも飲みたがる。

 たまに学園で訓練していると視線も感じるのだ。

 もしかして俺を見て……いや、流石にそれはないか?


「ヴァイ君、ココ先生が!」


 ついに動きがあったかと思ったが、なんと――。


「え……寝てないか?」

「寝てる……みたいです」


 なんとまさか、豪快に睡眠しやがった。

 仮にもここは学園だぞ?

 いくら授業前とはいえ教師が……いやまあ別にルール違反ではないが。


 何だかバカらしくなってしまい、俺は、まっすぐ歩く。


「え、ヴァイ君!?」


 近くまで歩み寄ると、既に爆睡していた。

 黒髪ショートカットで、タイトスカートを履いている。

 というか白衣が汚れるんじゃないのか……?


 ルナもおそるおそる近づいてくるが、起きる気配がない。


 ―――――――――――――――


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