205 知能

「お前ら、こっち来い!」


 上空からも炎、俺は、咄嗟に防御術式を描く。

 そこにオリンが強化した。


 トゥーラ、リリスも同じように。

 全員が渾身の魔力を注いだ。


 地面がえぐれ、森が焼けていく。


 まるで爆撃だ。防御が崩れていくのを眺めながら、俺は更に不可侵領域・・・・・の展開を広げた。


 だがそのすべてが破壊されながらも、俺たちは半分以上の魔力を使って防いだ。


 周りは既に丸裸で、遮蔽物は何もない。


 だがそれだけじゃなかった。


 火竜の横から、土色の鱗をした地竜、風を纏った風竜が姿を現したのだ。


「……ふざけんなよノブレス」


 強くてニューゲームは、万人ウケするエンドコンテンツの一つだ。

 俺も嫌いじゃない。


 だがそれを考えてもやりすぎだ。


 人類が到達する魔力量を遥かに超える伝説級の四体・・を同時に出現させるクソエピソードを入れ込むなんて。


 そして四龍が恐ろしい最大の理由は知能。


 最たるわかりやすい例は――。


 「……人間どもが懲りないようだな」


 俺たちと同じ、言語を操るところだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る