204 二匹目

 四龍とは、原作ノブレス・オブリージュに存在するとの神の遣いのことだ。

 ノブレスの開発陣が創ったとコミュニティサイトに描かれていたが、真偽は明かされなった。

 この世界では、伝説上の生き物として教科書に載っていて、俺も驚いた。

 まさか、本当にいるのか? と。


 特別な霊力を持ち合わせている為、魔力は感じない。

 外見の特徴は、四大元素に応じて個体で異なる。


 そしてそれぞれが最高峰の力を持つ。


 ノブレスではクリアしたあと、強くてニューゲームが存在する。

 そもそもクリアが難しいのと、ステータスの引継ぎも一定数値のみなので難易度はそこまで変わらないが。


 それを何度も何度も繰り返した結果に現れるというだった。


 俺が知らなかったのは、単純に見たことがなかったのと、情報もなかったからだ。

 

 神の遣いと書かれていたのだ。その強さは、一匹でエヴァ・エイブリーをも凌駕する可能性は高い。


「……すごい」


 オリンが怯えている。今まで見たことがない表情だ。


 だがこれは朗報でもある。

 四龍は決して人を傷つけないと教科書には書かれていた。


 攻撃・・をされないかぎりは。


 村人に攻撃しないように伝えればいいだろう。


 だがそのとき、水竜の尾の怪我に気づく。

 それは魔力砲を受けた特有のダメージだとわかった。


「……一体誰が――」


 ――グォオォオォォォォオオオ。


 そのとき、天から咆哮が聞こえた。

 全員で上を見る。


 燃え盛る竜、魔力は一切感じない。


 なのに、殺意だけはしっかりと伝わってくる。

 突然、視線の先の水竜が起き上がる。


 深淵を見据える瞳が目を覚まし、俺たちを睨んだ。


 次の瞬間、水竜の口からとんでもない水撃が放たれた。それは、俺たちに向かってくる。



 

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