主人公の白蘭は、生粋の商人女子で、自分の力で身を立てることこそ女の幸せだと思っています。
その考え自体は現在の自立した女性と重なり、決して悪いものではないのですが、白蘭は「恋をする」ということそのものを否定してしまっていて、時に周囲の人々にも自分の考えを押しつけようとします。
でもそれは、彼女の生い立ちに深く関わりがあって、彼女の心の傷でもあるわけです。
そんな恋を知らない彼女の前に現れた実直で無骨な禁軍将軍の冬籟。初めは、反発し合う二人ですが、少しずつ距離を縮めていき、白蘭は今まで感じたことのない気持ちを冬籟に感じるようになります。
本当の恋は、知れば知るほど痛みを伴う。でも、恋を否定し、恋を知らない白蘭の気持ちの変化は、まさに彼女の心の再生そのもの。
恋の痛みを乗り越えて手に入れる白蘭の幸せをご覧あれ。