十一章

真実ほんものの神を

  十一章


 厳しい夏が長く続いた。

 幸い、早い予測と周到な準備のおかげで、作物が全滅する前に被害を食い止められている。しかし不安と悲観は日増しに勢力を強めつつあった。旱鎮めの儀式も、わかりきった結果しかもたらさなかった。少し風が涼しくなった、と錯覚させるのがせいぜいだ。

 そしてまた、ウルヴェーユによる対策もはかばかしくなかった。


「枯れるのは防げているが、これじゃあな……」

 王宮の果樹園でシェイダールはため息をついた。数本は早々と葉を落とし、持ちこたえているものも本来つけているはずの花や実がない。種籾だけでなく、大量の水を必要とする果樹もなんとかできないかと試みたのだが、水路を閉めたらこの始末。

 リッダーシュが、葉のない枝に軽く手を触れて思案する。

「果樹園全体に術をかけるのは諦めて、一区画をこうした……休眠、と言えば良いのか、この状態にさせて、残りに水を回すしかあるまいな。収穫が皆無になるよりはましだ」

「やっぱり水そのものが足りなければ、実を生らせるのは無理か。くそ、何か水を得る方法があればなぁ」

「今年と来年の夏を乗り切る頃には、新しい水路を引くなり揚水機を建てるなりして、水源を確保できるだろう。水利長官が様々な工事をおこなう間、耐えられさえすれば良しとせねば」

 リッダーシュはそう言ってあるじをなだめ、相変わらず雲のない空を仰ぎ見た。

「天から雨を盗むようなわざがあったとしても、そんな無茶をしたらどんな報いがあるか知れたものではないぞ」

「神罰が、とか言いたいんじゃないよな。ああ確かに、あまりに大きなわざを試みたら予想外の事態が起きて、何もしないほうがましだったという結果になりかねない。それはわかるが……やっぱり悔しいな」

 シェイダールは唇を噛む。リッダーシュが小さく笑った。

「おぬしも随分変わったな。私は本当に神々の報いを恐れたのだが」

 温かく冗談めかした揶揄。シェイダールは大袈裟にしかめっ面をして鼻を鳴らした。

「おまえの信仰は、祭司どもが押しつけてくるものとは違う。これだけ付き合いが長くなれば、そのぐらい学ぶさ。おまえは天にあって世界を司る神々を信じてはいるが、そいつらが人間と同じような存在だとは考えてない。違うか? だから、おまえが言う『報い』は怒りとか罰とかじゃなく、世界のありようが歪んで地上に悪い影響が出る、ってことだろう。それなら別にウルヴェーユの考え方と矛盾しないさ」

 鋭い洞察を突きつけられ、リッダーシュは目を丸くした。すぐには何とも答えられず、無言で瞬きする。ややあって彼は、ふむとつぶやいてうつむき、考え込んだ。

 シェイダールは邪魔せず、一本だけ寒々しい姿になった柘榴の幹に手を当てる。口の中で小さく緑の音をつくると、微かな応えが感じ取れるので、枯れていないというのはわかった。木々のつぶやき、水路を流れる水のささやき。世界に満ちる微かな音に耳を澄ませる。そこに柔らかい杏色の音がまじり、彼は思わず笑顔になって振り向いた。

 視線のずっと先に、建物の中から出て来た小さな影があった。

「シャニカ!」

 呼びかけるとすぐ、娘も父親を見付けてぱっと笑みを広げる。後から続いてお供する人影が現れたが、その判別がつくとシェイダールは不審げに眉を寄せた。一人は侍女のタナだが、もう一人が問題だ。

「……なぜあいつが?」

 訝しみながら、ひとまず娘を迎えに行く。もう随分歩けるようになっているのだ。日々元気に遊びまわって、弾けんばかりの生命力を発散させている。

「とーしゃ!」

 きゃあ、と歓声を上げて、シャニカは父が差し出した両手の中に飛び込んだ。

「遠くまで来たなぁ、シャニカ! すごいじゃないか!」

 娘を抱き上げて頬に口づけし、つるつると柔らかい黒髪を撫でる。暑さに挫けずここまで頑張って歩き通したらしく、汗びっしょりだ。

「畏れ入ります、シェイダール様。途中、何度か抱いてお連れしようとしたのですが」

 タナが小走りに追いついて恭しく礼をした。シェイダールは笑って娘の顔を覗き込む。

「自分で歩くって聞かなかったんだろう。なぁ、おまえだんだん俺に似てきたんじゃないか? あんまり頑固になるなよ、せっかく可愛いんだから」

 背後でリッダーシュがふきだし、シェイダールがそれを睨んだところで、最後にやってきたもう一人のお供、ナムトゥルが、にこにこと場に加わった。

「シャニカ姫は愛されておいでですね、羨ましいことです」

 初対面よりはいくらか落ち着いているが、それでも、礼儀として保つべき距離を越えて近付きすぎている。リッダーシュが笑いを消し、素早くあるじを守れる位置へ動いた。シェイダールもいささか疑わしい顔になる。

「どうしておまえがシャニカの供をしている?」

「ああ、『鍵の祭司』様の使いで参ったのですよ」

 ナムトゥル自身は、警戒されたとまるで察していないようだ。懐に手を入れながら進み出たもので、リッダーシュに阻まれてしまった。

「我が君にお渡しするものがあるなら、私が預かろう」

 厳しく言われてナムトゥルは困惑し、次いで憎しみに近い表情を見せた。従者風情が出しゃばるな、と言わんばかりの目つきだ。シェイダールがさりげなく先制した。

「俺の両手はこの通り、娘でふさがっているからな」

「あっ……失礼しました」

 途端にナムトゥルは赤面し、従順に頭を下げて、取り出した布包みをリッダーシュに手渡した。神殿で老祭司から聞いた話の一端を窺わせる豹変ぶりだ。

「六彩様がジョルハイ様にこれを預けられたのです。術の詳細についてご説明できる者が必要であろうかと、不肖わたくしめがお供を願い出ました。先に柘榴の宮を訪ったのですが、預かりものの話が出た際、姫様が行くとおっしゃったのです」

「そうか、シャニカ、父様に届けてくれたのか。えらいぞ」

 よしよし、と丸い頭を撫でて褒めてやる。実際は単に、シェイダールの名が出たのを聞いて、とーしゃ、と繰り返しただけだろう。丁度良いから外へ連れ出させ、後はヴィルメとジョルハイだけで……

 ぞろり、と腹の底で何かが蠢いた。シェイダールはすぐさまそれを突き沈め、娘を抱き直してリッダーシュの手元に注意を移した。

「麦の籾じゃないか。そっちでもう試してみたのか」

「手分けして術をかけたのですが、結果を確かめようにも神殿では蒔ける場所がないもので。恐縮ながらシェイダール様にお願いできないだろうかと、六彩様からの言伝です」

「場所がない?」

 思わずシェイダールは聞き返していた。大神殿には、神官の食事や祭儀の供物を賄う畑があるはずだ。案の定、ナムトゥルは憤懣をあらわにして大きくうなずいた。

「はい。神殿の畑には余分の場所がないと、突っぱねられたのです! 我々学究派とて同じ神官、まして重要なつとめに励んでいるというのに! 多くの民を救う種籾のために、ほんの一畝を空けることもできぬというのですよ! なんたる傲慢、なんたる偏狭!」

 激しい声に乗って無数の火の粉が舞い踊り、弾ける。煩わしさにシェイダールは顔をしかめたが、幼いシャニカはそれだけでは済まなかった。小さな手でぎゅっと父の服を握り締めたと思うや、いやいやと頭を振って大泣きをはじめてしまったのだ。

「やー! うわあぁぁん!」

 ナムトゥルがぎょっとなって下がり、身を竦める。タナが慌てて手を差し伸べたが、シャニカは父親にがっちりしがみついて離れない。

「シャニカ、大丈夫だ。痛くない、怖くないぞ。ほら、よしよし」

 シェイダールはできるだけ穏やかになだめ、優しく背をさすってやる。だが、まさしく火がついたような泣き方はおさまる気配がない。彼は助けを求めて従者を振り向いた。

「特別に許す。なんとかしろ」

 横柄に縋られ、リッダーシュはおどけて目を丸くしたものの、責任重大と表情を改めてそばに寄った。丸い頭にそっと手を触れて、静かにささやく。

「姫……シャニカ姫、ご安心を。お父上も私もおそばにおります、お守りします」

「ふっ……ぅ、ひっく、ぅぇ」

 途端に号泣が止まり、シャニカは真っ赤に泣き腫らした顔を上げて、しゃくり上げながらリッダーシュを見つめる。

「ほら、もう怖くありませんよ」

 リッダーシュが笑い、黄金の蜜が波紋を広げる。シェイダールは足を踏ん張って堪え、シャニカはそんな父にお構いなく、涙も忘れて魅惑の金色に手を伸ばした。

「ああまったく! わかってはいたが、こうも覿面だとげっそりだ。ほらリッダーシュ、しばらくおまえが抱いてろ」

 シェイダールは言って、種籾の包みと娘とを交換する。リッダーシュに抱かれたシャニカは早くもご機嫌になり、頬や三つ編みにぺたぺた触りまくった。

「だーぅ! だーぅ!」

「リッダーシュ、ですよ、姫。……まだ無理かな」

「ぃ……り、だぅゆ?」

「そうそう、覚えてくださいね。あいた!」

 すっかり姫に夢中になっていたリッダーシュは、あるじに頭をはたかれて我に返った。

「俺の名前もまだちゃんと呼べないのに、おまえの名前を覚えさせるな馬鹿!」

「一回で覚えられるわけもなかろうに、そう警戒せずとも」

「俺の娘だぞ、記憶力は良いに決まってるだろう。シャニカ、お父様はこっちだぞ」

 いじましく娘の気を惹こうと、ぷっくりした頬を指でつつく。シャニカは振り向いて、

「とーしゃ」

 にっこり一回呼びかけると、義理は果たしたとばかりまたリッダーシュを見つめた。シェイダールはがっくりうなだれ、肩を落として引き下がるしかなかった。

 笑いを堪えているタナとナムトゥルを恨めしげに睨み、ため息をついて気持ちを切り替える。包みを開くと、薄く色づいた籾が小分けにされていた。路を開かれていなければ、何の変哲もない普通の麦にしか見えないはずだが、それでも不気味だということか。

「どうせ燈明の奴が畑の神官どもを味方につけたんだろう。怪しげな術を施した麦など蒔かれては神への供物が穢れる、とかなんとか言ってな。仕方ない、王宮で試すさ」

 いずれにしても、そろそろ施術した種籾を試しに蒔く時期だった。先にちゃんと発芽するかどうか確認した上で、何種類かを近郊で栽培し、まともに収穫できたなら、来年は同じ術を大量の種籾に施して広く配布する。

(うまく芽が出たら、今年の種蒔きに間に合うように、村へ届けよう)

 収穫できる保証はないが、水利の悪い土地でも育つかどうかの実験になる。まともな実りが得られたなら、普通の麦の不作を補える。

(そうすれば、きっと)

 赤い叫びがよみがえりそうになり、彼はぐっと包みを握り締めて堪えた。

「早く王になってくだされば、障害もなくなりましょうに」

 不穏な言葉が物思いを破る。シェイダールは凍てつく目でナムトゥルを睨んだが、当人は問題発言の自覚がないのか、熱に浮かされたような顔でにじり寄ってきた。

「シェイダール様ほどの御力があれば、今の愚かしい神殿のありようを打ち壊し、あるべき姿に正すことも叶いましょう! 何をためらっておいでなのですか!」

「ジョルハイに吹き込まれたのか」

 冷ややかに応じ、シェイダールは相手によく見えるように手を挙げてリッダーシュを制した。この手の次の動き次第では、おまえは力ずくで排除されるのだぞ、と示すために。だがそれさえもナムトゥルは見ていなかった。

「何をおっしゃいます! 誰かの受け売りのように思われるのは心外です。わたくしは心の底から、シェイダール様の即位を熱望しているのですよ! 御自身の目に映らぬのが口惜しゅうございます、御身を取り巻く色とりどりの輝き、鮮やかなうねりの神々しさ……そう、まさに神! 新たな神ともなられる御方で」

「黙れ!」

 ぎりぎりで《詞》にするのを堪え、シェイダールは長広舌を断ち切った。

「都合のいい妄想の拠り所を神などとほざくな!」

 激怒のあまり、それ以上は続けられなかった。常ならば反論の隙も与えず、理屈でとことん追い詰め粉砕するまで攻撃するものを、感情が昂りすぎて思考がまとまらない。

 浅ましい欲。現状と未来に対する不満と不安。己の望む世界になれかしと、薄汚い願いを捏ね合わせて神を創り、従わぬ者を断罪する傲慢。他人の掲げる神を善しとし、目を閉ざし歩みを止めて憚らぬ怠惰。

「貴様のような奴が……っ」

 路が震え、標の螺旋が深淵へ駆け降りてゆく。わぁん、と水底の鐘が鳴った。

「やめろ、シェイダール!」

 リッダーシュが叫ぶと同時に、何事か、と緊迫した声が届いた。近くを巡回していた近衛兵が、騒ぎを聞きつけたのだ。二人一組の兵士が緊張した面持ちで駆けてきた。

 噴き上がりかけていた激流が、すうっと静まり引いてゆく。シェイダールは深く息を吐いて気を落ち着かせた。直後、はっと娘を振り返る。幸いシャニカは怯えもせず、菫の瞳を丸くしてじっと父を見つめていた。安堵のあまり膝が抜けてしゃがみ込む。

「シェイダール様、如何なされました。狼藉者ですか」

 言って兵士はじろりと部外者たる神官を睨んだが、こちらもまったく脅威には見えなかった。魂を抜かれたかのように、完全に腑抜けていたからだ。

 シェイダールは疲れた気分で立ち上がり、「大事ない」とひとまず応じた。警戒と当惑のあいまった顔をしている近衛兵二人に、手振りで指示を出す。

「どちらか一人、その神官を『柘榴の宮』にいる祭司ジョルハイのもとへ送ってくれ。もう一人は後で、タナとシャニカを」

 娘に近付けるなという含みを察し、近衛兵の目が険しくなる。まだ惚けていたナムトゥルは、胸元を槍の石突きで押されて我に返るや、悲憤と絶望を顔いっぱいに漲らせた。

「乱暴にするな。彼は『六彩の司』からの使者だ、相応の礼を守れ」

 シェイダールは素早く兵士を牽制した。ここでまた感情的な演説を始められてはかなわない。槍が立てられるのを確認し、彼はナムトゥルに歩み寄ってささやいた。

「己に酔わなくなるまで口を慎め。おまえは今、アルハーシュ様に対する謀反を唆すも同然の言葉を大声で叫んだんだぞ。自分の足で歩いて帰れることに感謝しろ」

「わ、わたくしは決して……っ!」

「そんなつもりはなかった、などと言い訳が通じると思うな。おまえは己の夢想に酔いしれて、王を廃せよとせっついた。俺が、この国が、どれほどあの方に恩を受けているか、まるで考えもせずに。……もしまた同じことを言えば、次は許さないからな」

「世嗣様! シェイダール様、お待ちを」

 悲痛な声が縋るのを無視し、シェイダールは娘のそばへ戻る。近衛兵がナムトゥルを強引に追い立てて行った。

「シャニカ、びっくりさせて悪かったな。大丈夫か? 今日は大冒険だったなぁ」

「とーしゃ?」

 姫は首を傾げ、何か訊きたいのか伝えたいのか、あーあー、うーうー、と一生懸命声を出す。シェイダールは思わず笑いをこぼした。

「早く話せるようになるといいな。さあ、もうタナと一緒にお帰り。いい子だ」

 頬と頬をくっつけて別れを惜しんでから、彼は娘を侍女に託す。タナが歩きだしても後ろを見たままの姫に、リッダーシュが恭しく一礼を送った。

「またお会いしましょう、シャニカ姫」

「あーゅ! りっだーゆ!」

 黄金の蝶を捕らえようとしてか、それとも別れの挨拶か、姫は小さな手をいっぱいに伸ばす。幸せ満面で見送るリッダーシュの横で、シェイダールは苦笑いするしかなかった。

「ほら見ろ、しっかり覚えてしまったじゃないか」

 悔しそうなぼやきを、幸か不幸かリッダーシュは聞いていなかった。彼はしばし考え深げに目を伏せたのち、改めてつくづくと友を見つめた。

「もしかしたらおぬしは、誰よりも神を信じているのかもしれないな」

 そよ風が、ふわりと心を撫でてゆく。シェイダールは驚きに声を失い、立ち尽くした。その無防備な表情にリッダーシュは失笑し、小首を傾げて言い直す。

「いや、信じているというのは違うな。……求めている。うん、そうだ。おぬしは真実ほんものの神を求めているのだろう」

「おい待て、何だそれは! 俺は神なんかいないと、何度も」

 うろたえ気味の反論にも、リッダーシュは答えず微笑むばかり。

「何をどう誤解してるんだ、おまえは」

 シェイダールはぶつぶつ否定したが、彼の深い洞察に何度も驚かされ救われてきた身としては、下らないと一蹴もできない。曖昧な沈黙の内に引き下がる。そんな様子を、リッダーシュは面白そうなまなざしで眺めていた。

 かつて資料庫で土地管理長官ハディシュが見抜いたことを、リッダーシュもまた悟ったのだ。一部の人間にだけ都合が良く、弱き者を救わない――そんな神を否定するこの不信心者は、その実、誰よりも強く、真の救いを求めているのだと。己ひとりの身の上に端を発したその願いは、いまやあまねく人々を包括している。

 だからこそ彼はあれほど激しく、独善的な『神』を憎むのだ。

 己の望みがどれほど身の程知らずに傲慢で気高いか、本人がまったく自覚していないのだから、言ったところで無駄だろう。

「……おい、やめろその顔。自分だけ高い所にいて、迷路の出口が見えてます、みたいな目つきをしやがって」

「いつものおぬしではないか。たまに立場が逆転したら悔しいか」

 思わずリッダーシュは笑って言い返し、怒ったあるじに襟首を締め上げられるはめになったのだった。

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