第40話 『全国高等学校簿記選手権大会(通称簿記の甲子園)二連覇の軌跡』 丸子稔さん

〇作品 『全国高等学校簿記選手権大会(通称簿記の甲子園)二連覇の軌跡』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330668875970413

 

〇作者 丸子稔さん


【ジャンル】

 エッセイ・ノンフィクション


【作品の状態】

 1万字弱の短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし


【作品を見つけた経緯】

 カクヨムサーフィンしていて見つけました。


【コンテスト】

「カクヨムWeb小説短編賞2023」参加作品。


【ざっくりと内容説明】

 作者さんが高校生だったころ、簿記部に入って全国大会で優勝するまでのお話です。


【感想】

 皆さんは、「簿記」をご存じでしょうか。

「簿記」とは「[企業体などで]金の出し入れを帳簿に書き入れて、整理する方法(『新明解国語辞典 第八版』より引用)」のことです。


 かくいう私も、簿記はちょっとかじったことがあるのですが、試験はとても難しくてちんぷんかんぷんでした。簿記の問題をするっと解ける人は、すごいなと思います。


 さて、作者さんは高校生のときに簿記について勉強していました。

 簿記には検定試験があり、作者さんは三級に合格しています。しかし、次に受けた二級の授業は三級よりもずっと難しかったようで、とても合格できる気がしません。


 どうしようかと悩んでいると、クラスメイトから「簿記部」に入ろうと誘われます。

 帰宅部だった作者さんは、学校に簿記部があったことさえ知らなかったようですが、二級の授業の内容に戸惑っていたこともあり、クラスメイトと一緒にその部活に入ることを決めるのです。


 部に入るには、顧問の先生に相談します。

 すると先生から、「簿記の全国大会がある」ことを知らされます。

 動機はなんであれ、簿記部に入るからには、その大会の戦力になることも期待されていた作者さんたちですが、練習問題を解き始めてみたら難しくて……?


 タイトルには「二連覇」とあるので、二度全国制覇したということですが、果たしてどういう過程を踏んでここまでたどり着いたのでしょうか――というのがこの作品のお話です。


 私はこの作品を読んで、初めて簿記の全国大会の存在を知りましたが、部員たちと切磋琢磨せっさたくまして大会に向け、合宿までして練習しているところに、青春が詰まっているなぁと思いました。

 また、合宿で後輩が作ったカレーを食べたり、男子だから力仕事を押し付けられちゃったり、大会の結果で自分が部の戦力になっていないことが分かって、余裕のない言葉を言っちゃったり。その一つひとつが、きらきらしているなと感じます。


 昭和59~昭和61年の間のお話ですが、作者さんの中にある簿記を通した高校生活は今も色あせておらず、瑞々みずみずしく書かれているところがいいなと思いました。


 テンポのいい、読みやすいエッセイです。気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。


 今日は『全国高等学校簿記選手権大会(通称簿記の甲子園)二連覇の軌跡』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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