ごくありふれた家庭からおかしな人間が生まれた
白川津 中々
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手に握られた包丁は血に染まっていた。
持っているのは子供だった。倒れているのは母親だった。母親は既に息絶えている。子が親を殺したのだ。
家族の生活におかしな点はなかった。秘密も裏もない、ごく普通の、ありふれた温かい暮らしだった。だが、子供は母親を殺した。
彼は後年、動機についてこう述べている。「うるさかった」と。
少年にとって、ありふれた家族というのはノイズでしかなかった。不愉快な肉の塊でしかなかった。
ありふれた家庭からおかしな人間が生まれた。その人間は今、刑期を終えて、何処にいる。
ごくありふれた家庭からおかしな人間が生まれた 白川津 中々 @taka1212384
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