第8話

Part8 穂香&真樹 誤解と修正


源「呼んだ理由はいちごに(前みたいにならないため)といった件だ」

 間髪入れずに即座に謝る穂香

穂香「申し訳ありません」

源「謝る必要はない、誤解をしてるのではないかと思って言ったのだ」

「6年前の男の子の事だな」

穂香「はい、そうです」

 悲しげな顔をしながら返事をする

源「知ってることを順を追って話してくれないか」

真樹「私から話します」

「6年前ある男性が来たときから」


 6年前・・・


桜「生きたい?今すぐ死にたい?」

男性「生きたいです」

桜「そうか、わかった」

 書類が挟まったバインダーを差し出す

桜「魔物は知っとるな、そいつの血液と思われるものを改良し 人体強化剤を作ったのだ、まともに効くかは保証できん・・・試してみるか?」

男性「はい、試します」

 即答で答える

桜「キャップを外し腕に当て 頭のとこを押せば良い ランプが赤に点灯したら打つんだ」


別室

源「穂香・真樹見ておくんだ」

穂香・真樹「はい!」

 返事と同時に女性隊員が源に話しかける

女性隊員「徐々に体温上昇中・・・幼児化してると思われます」

 三分後・・・

女性隊員「体温正常・・・幼児化確認」

源「桜、身体検査を頼む」


保健室

桜「見た目も中身も6歳ぐらいの男の子ですね」

源「身体能力もか?」

 神妙なおもむきで答える

桜「すべて6歳児じゃ」

源「穂香・真樹出てなさい」

穂香・真樹「はい!」

 出ていったのを確認したと同時に話を続ける

源「身体能力も6歳児なら魔物の餌食にしかならん、それなら・・・処分して居なかったことにしろ」


真樹「ここまでが知ってることです」

源「そうか・・・少しだけでも聞こえない内容があったら誤解を招くのだな」

 続けて言う

源「あの時私が言ったのはこうだ」

「身体能力も6歳児なら魔物の餌食にしかならん、それなら(情報のみ)処分して居なかったことにしろ。あと、A区域にあるカフェの夫婦に預けたら安心だ」

「私はこういったのだ」

穂香「なら、生きてるんですね」

源「ああ、生きている」

「そもそも、今まで殺そうとしたことはない」

真樹「なら、なぜあの実験を」

 少し怒り気味で聞き返す

源「がん患者・・・実験対象は末期のがん患者だ・・・救うためにやったんだ・・・失敗は一度もない」

穂香「片道って言われてる理由は?」

源「女性区域の力仕事や軽い警備等をして貰うために呼ぶのだが皆帰ろうとはしないのだ、身体に見合った仕事だからかもしれんな」

真樹「だから研修のある月は区域の人口管理下が慌ただしかったのか」

源「そうだ、皆生きている それも元気で」

「あの少年に会いたかったらいちごも連れて行ってくれ、その時は私も行く 約束したからな」

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片道切符 こむぎ @komugi_syousetu

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