最終話 東京リベンジャーズ(サスペンス)

 皆さん、こんにちは。


 入る度に構造が変わるダンジョン『書籍館』にスマホ片手に挑む、Vチューバーの早稲田夜鶴子わせだよつること申します。


 今回はどんな本と出会えるのでしょうね。

 今からとても楽しみですね。


 さて、本日もいつものダンジョン内にて東大倉島とうだいくらしま君が一冊の本を読みふけっていますよ。


 動画配信のマンネリ化を防ぐため、ちょっと彼に対するアプローチを変えてみますか。


「へえー。タイムリープのサスペンスアクション作品の東京リベンジャーズですね」

「わっ、背後から脅かすな!?」


 六千万部という異様な売り上げをほこり、アクション漫画好きなら読んで損はしない大作な漫画です。


 ──物語は二十歳を越えて、レンタルビデオ店のバイトをしながら余生を過ごす負け犬の花垣武道はながきたけみちが過去に交際していた同年代の女性、橘日向たちばなひなたの突然の死を知りながらも、駅のホームで能天気に過ごしてる際に電車が走る線路に突き落とされます。


「その死の直後に中学生の過去へタイムリープするんだよな。読み始めて僅か数ページでだぜ。急すぎる展開だな」

「中学二年の不良少年だった頃ですね。思えばその時代からタケミチ君の人生は灰色でした」

「喧嘩を売りにいった中坊に逆にいいように使われてその後の人生を思い知らされるんだよな」

「それでボロボロになった姿でヒナのマンションへと寄ってみて。タケミチ君って純情ですよね」


 タケミチ君は元気な元カノに癒やされても、言いなりにされた東京卍會とうきょうまんじかいから逃げるように人生を歩んでたことを後悔し、過去に戻っても、何も出来ない自分に嫌気がさしていました。


 しかもヒナは東京卍會により、事故死の疑いで殺害されていたのを思い出すのです。


「タケミチ君は無力な自分を呪い、近所の公園でイジメに遭っていた男の子を助けます」

「腹いせで助けたその男の子がヒナの弟の直人なおとだったんだよな」

「それでタケミチ君はお姉さんのヒナが将来死んでしまうことを年月や日にちまで明確に伝えて、熱い握手を交わします」

「その握手がきっかけで現代に戻るんだよな」

「はい。しかも電車の事故から無傷に生還していて」

「ナオトが警察官になって、姉ちゃんの事故の関連性を調べ、過去に出会っていたタケミチを電車から救うんだよな」


 そして現代に帰ってきたタケミチ君はナオト君から、あなたなら死んだ姉さんを救えるトリガーになるかもと、ヒナの死に関連した東京卍會について詳しく調べていきます。


 タケミチ君はナオト君と握手をすることで十二年前の今日に戻れるタイムリープの能力を秘めていたからです。


「そして次に過去に戻ってタケミチがやったことが初めて東京卍會に歯向かうことだったんだよな」

「そこでタケミチ君は末端ながらも強い相手のキヨマサ君にボロボロにされながらも自身の運命に抗います」

「未来の経験上から、この先何があっても逃げない覚悟を決めたんだよな。男らしいぜ」


 そこへ東京卍會のリーダー格である副総長の龍宮寺堅りゅうぐうじけんこと、ドラケン君と総長の佐野万次郎さのまんじろうこと、マイキー君が訪れ、何とタケミチ君の意気込みを買って、仲間に引き入れます。


 翌日、その根源の二人がタケミチ君の学校に来て、上級生をのし上げてクラスにまで足を踏み入れます。


「そこで強気に出たヒナのクリティカルヒットのビンタがマイキーの頬に炸裂するんだよな」

「怒ったドラケン君とマイキー君はタケミチ君に凄みを効かせますが、それはハッタリであり、改めてタケミチ君の中学生とは思えない度胸に胸を踊らせたのです」


 マイキー君の話によると、昔、一緒に暮らしていたお兄さんにタケミチ君が似てるらしく、喧嘩に弱い存在なのに真っ向から勝負を挑んでいた姿とかもお兄さんの生き写しみたいだったみたいだとか。


「こうしてタケミチ君は東京卍會のメンバーに誘われて、徐々に最悪だった未来を変えていくんだよな」

「そうですね。色々な障害に追われながらもナオト君の握手でのタイムリープにより、過去と現代を行き来するのですが、毎度ドキドキの連続ですよね」


****


「それでは東大君、今回の東京リベンジャーズの自己評価をお願いします」

「おう。任せろ」


 今日も東大君はペンを片手にノリノリですね。

 これは編集のやりがいがありますね。


 東京リベンジャーズ

 全31巻

 ジャンル アクション

 フルカラー版、テレビアニメ、実写映画あり

 ストーリー★★★★

 キャラクター★★★★

 演出★★★★★

 シリアスさ★★★★★

 お笑い度★★

 中毒度★★★★

 お勧め度80%


「──ちょっと表現が過激な部分もあり、暴走族や喧嘩上等なヤンキーという古臭いイメージもあって、万人向けとは言い難いが、全体的に上手く物語が練られていて面白いな」

「漫画が苦手でもアニメや実写映画もありますので、様々な方面から観れるのも大きな魅力ですよね」


****


 さて、いつもならここで終わりなのですが、ここで私の決心を伝えないといけませんね。


「──あと、それから東大君。私、今回にて親元の農業を手伝うため、三日後に実家に帰りますので、この配信も今日で終わりなんですよ。今までありがとうございました」

「おおう。そうなのか。向こうに行っても元気でな」

「はい。東大君もお元気で」


 ──こうして私の漫画紹介の配信も四話をもって無事に終わり、それを理由にか、人気が途絶えたこの『書籍館』も自然と閉鎖となりました。 


 ここにあった本は近所の図書館に借り物として全て寄付されるそうです。


 皆さん、四話という長いようで短い間でしたが、今までご視聴ありがとうございました。


 fin……。

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スローライフなランダムダンジョンを進みながらVtuberで紹介しよう、この漫画がお勧めだって! ぴこたんすたー @kakucocoro

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