バイト(3)

 栗花落さんが先に休憩に入った。僕らは八時間働いて休憩が一時間時間は被らないように彼女が先に休息に入った。


 僕は彼女に質問があったので、休憩室へと向かった。僕は休憩室につくと声が聞こえてきた。


「君は家の事情が大変なんでしょ?」そう店長の野太い声が聞こえてきた。


「私は大丈夫なんでお構いなく」


「そんなギャルっぽいメイクつけて、受け入れてくれるところ。ここぐらいしかないんじゃないの?」これはやばいやつだ、とポケットから携帯を出し録画を始める。


「店長それはパワハラで訴えられますよ」


「誰かが動画をとっているわけでもない、私は君を解雇することだってできる」すると、栗花落さんの舌打ちと思われる『ちっ』と鳴り響いた。


「とりあえず、この後一緒にうちにでもこない?いろーんなこと教えてあげるよ」と気持ち悪い声が響き渡る。さすがにまずいと思った俺は中に入る。すると、栗花落さんの肩をさすっている、剝げてるセクハラおっさんがいた。ばっちりカメラに映しているのを確認し、動画を撮り終えた。


 僕はすぐに栗花落さんのほうへ駆け寄り。声を掛けた。


「美波さん大丈夫でしたか、何か変なことされてませんか?」


「いや何もされてないけど」


「お、おいっ、き、貴様はなぜここにいる」そう変態おじさんに聞かれたので。


「質問があったので美波さんの所え来たら、パワハラとセクハラの盤面に遭遇したので。止めに来ました」そして僕は彼女に笑顔でアイコンタクトを取る、携帯を彼女に見せると彼女も理解してくれた。


「そ、そんな事はない。な、栗花落」


「いや、滅茶苦茶セクハラしてましたし。証拠の動画は神崎君が撮っていましたから。店長あなたもう終わりですよ」彼女はとてつもなく腹黒な笑顔と冷徹な視線を店長に見せた。それに僕は背中から冷や汗が出てきた。ホンのチョビーーットだけ店長に同情したようなしなかったような。


すぐに警察を呼んで僕と栗花落さんはパトカーに乗せて頂き、事情聴取をすることになった。僕は警察に動画を渡した。どういう経緯で動画を撮ったのか、など色々な話を聞かれる。僕の事情聴取は結構時間がかかったが無事終わった。


僕は栗花落さんがちょっと心配なので彼女が出てくるまでまった。


あれから数十分経つと、栗花落さんが出てきた。彼女に向かって手を振ると、彼女が駆け寄ってきた。


「その、さっきは…あ、ありがとうね」素直にお礼されると結構むず痒い。


「どういたしまして」


「べ、別にあんなんで惚れる訳ないし」


「全然惚れなくて大丈夫だよ、だって僕彼女いるし」


「えっ!?」彼女はそんな素っ頓狂な声を上げた。僕に彼女がいるなんて思いもしなかったんだろう。確かにこんなインキャ君に彼女がいるように見えないよね。


「確かに、僕はインキャに見えるけど彼女はいるんだぞ」と胸を張って言った。彼女は急に考え込み。


「そ、そうなんだ、その子って同学年なの?」


「いや、一個上の先輩」


「そ、そっか…な、名前はなんて言うの?」


「神崎 琴美さん、知ってる?」


「いや、知らない」


「そっか、めちゃくちゃ美人で良い先輩だよ」


「そうなんだ」そう言うと考え込む美波さん。


「こんな事もあったし、送ってくよ」


「ありがとう、じゃあお願いするね」そう素直に返してくる栗花落さん。いつもだったら反発してそうな気がしたが、まあ怖かったのだろう。そう僕はちょっと疑問に思うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

屋上にいた君に恋をする あずき @azukiokashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ