応援コメント

20.可惜夜《あたらよ》(1)」への応援コメント

  • 「もしかして、姫は俺のことを」ということをケンが考えたのは、初めてのような気がします。
    いままでも、ほんの少し、ほわんとした色みたいな、ほわんとした空気みたいな、そんな感覚を持ったことはあると思うのですが、言葉で「もしかして、姫は俺のことを」と考えたのは初めてなんじゃないかなぁ、と。
    その反動みたいに、その後は、ひたすら、「ウィー様」「朗報」「楽しみ」を繰り返すのが、痛々しく思いました。
    本当は、「自分が頑張って実を手に入れれば、姫は助かる」ということだけが、ケンにとって嬉しいことで、その他のことは、悲しいことなんですよね。でも、「絶望的だった姫の命が助かる」これはケンにとって、間違いなく何よりも嬉しいことで。
    周りに、嫌な心の人がたくさんいるこの世界で、ケンは本当に純粋だと思います。

    ……イスー、ケンが危険な旅に出ることに対して、なんて言うのかな。彼女もまた、心からケンのことを想っているわけだから、危険な旅はやめてほしいと思うよね……。しかも、治っても、ケンと離れて結婚することになるわけで。
    ああ……! ケンにとっては、たったひとつの「嬉しいこと」が他のすべての辛さを打ち消すことができても、イスーにとっては、ひとつも「嬉しいこと」がないのかも……。

    あ、あと、ばあやが年を取ったのが、見ていて辛いです。
    頭の回転が、ちょっと悪くなってしまった感じがします。体も思うように動かないでしょうし、目も悪くなってしまったかなぁ……。

    作者からの返信

    はい。たぶん、ここが初めてだと思います。
    魔術師にいろいろ言われて、ようやく……というかんじで。
    >ほわんとした色みたいな、ほわんとした空気みたいな
    そうそう! きっとそんなかんじでした!!

    「姫が助かるかも」ということは嬉しいし、元気な姿の姫を見るのは楽しみだけれど、では今の心境が
    「命令がうれしくて、わくわくとした気持ち(国語のテストの選択肢風)」
    かというと、それは……なかんじかな、と思います。
    このあたりの、なんともいえない気持ちをくみとってくださり、おそれいります。(きちんを書けているか不安だったのでした)

    ケン、純粋です。昨今の流行のヒーロー像とはぜんぜん違うのですが、こういう人が書きたかったのです。

    なんだかんだいってもケンにとっては大きな「嬉しいこと」がありましたが、そうなのです。イスーにとってはどれも嬉しくない!
    イスーにとっては
    病が治る<<<<<(中略)<<<<ケンの安全
    なのだと思いますし。

    ばあや、実年齢(作中では書かれていませんが)よりもぐっと年を取ってしまったみたいです。
    今まであまり登場していませんでしたが、私も書いていて辛かったです……。

    編集済
  • >朗報だ。朗報だ。

     嬉しい。楽しみだ。幸せなことだ。

     だから頑張ろう、俺。姫のために。頑張ろう、なあ。


    切ないですよう……。

    作者からの返信

    おそれいります。

    「嬉しい、楽しみ」で覆った心の内側に、いろいろあるんですよ、ということをどう表現しようか考えて、結局、「なあ」の二文字に背負わせてみました。
    それでも、そのあたりがきちんと書けているか、不安だったのでした。

  • ばあやが年を取った分、姫の病状は進み、ケンたちはたちは成長したのですね。
    そしてケンは過酷な任務を引き受けました。
    姫が命を繋ぐためなら文字通り「たとえ火の中水の中」ですね。

    ウィー様との結婚が朗報だと自分に言い聞かせる姿が悲しいです。

    作者からの返信

    ばあや、八年間の塔の生活で、実年齢よりもぐっと年を取ったみたいです。
    そして、そうなのです。ケン、成長しました。
    主人公の成長の過程が、きちんと書けていればいいなあ、と思います。

    >姫が命を繋ぐためなら文字通り「たとえ火の中水の中」

    はい。そうなのです! といいますか、私、「文字通り火の中水の中」だということに、今気がつきました……汗

    一晩、言い聞かせていました。
    悲しいと受け止めてくださり、おそれいります。
    ここのエピソード、言い聞かせている表面上の言葉ばかりがいっぱい書いてあるので、彼の本心がきちんと書けているかな、と不安だったのです。

  • 必要な一晩、ですね。
    いろんな思いが吹き出して、それを押さえて風にさらして落ち着かせて。

    何度も自分に言い聞かせるケンの姿が痛々しい。
    そうだよね、この任務はとても過酷だということ、そして条件付きであるということ。それを忘れてはいけない。
    けれど、気にしては前に進めない。

    イスー、心配していたんですね。戸口でずっと待っていたのかな?
    今だって、満面の笑みをケンに向けているよ!

    作者からの返信

    はい。最初、
    命令を受ける→翌朝出発
    にするつもりでしたが、今回のような時間が必要だな、と思い、一日増やしました。

    >何度も自分に言い聞かせるケンの姿が痛々しい。

    おそれいります。
    ここ、国語のテストで「今のケンの気持ちにふさわしいものを選びなさい」という問題があったとしたら、選択肢で
    「1.命令がうれしくて、わくわくとした気持ち」
    とかありそう、と思っていました。
    彼の心の奥にある気持ちが、きちんと書けているかな、と不安だったのです。

    イスー、心配していたみたいです。
    そうなのです。笑顔を向けているのですよ、ケン!