【第八回】 この虹色の世界から〝神〟を盗めるその日まで
今回はうつみ乱世 様の「この虹色の世界から〝神〟を盗めるその日まで」をレビューします。
作品はこちらです↓
https://kakuyomu.jp/works/16817330656149263035
それでは、読んでいきましょう! よろしくお願いします!
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興味深いタイトルですね。ジャンルやタグから、神聖なバトルが繰り広げられそうです。
「性癖」というタグがとても気になります。
紹介文はあらすじのほかに、ストーリーの方向性も書いてあります。
バトル全振りではなく、ヒューマンドラマにもフォーカスする作品のようです。
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【一話目】第1話 この男、コンプレックスの塊
この作品は現在、4章まで連載されており、「1章 〝アッカラ村の襲撃〟編」から物語は始まります。
レオンに対するアノールの心の声……陰険そうな主人公ですね笑
それというのも、常に自分の能力の上を行くレオンに対する嫉妬からくる感情でしょうか。
「アイデンティティを確立したところから破壊される環境」はレオン一人によってつくられたというのであれば、そんな気持ちになってしまうのも仕方がないですね。
そんなアノールの唯一レオンに勝っているところ、信仰心。
「お前はなんで僕より早く~」からの会話劇が良いですね。アノールの性格がはっきりとしますし、読者がツッコミたいところをレオンが代弁してくれます。
なんだかんだ仲の良さそうな二人ですね。
人数や日数は漢数字で表されていますが、
「アノールとレオン、そしてエールの三人はこの村に彼らだけの子どもだ」とありますが、なんだかムズムズしますね。意味はわかるのですが、読んでいて、ん? となりました。私だけでしょうか。
「なのでその奇声が~」ですが、文頭に「なので」を用いるのは避けた方が良い気がします。セリフであれば問題ないかもしれませんが、普通の地の文となると……
と思ったのですが、この段落は神様(作者)視点の文章だった!? であれば、この砕けた言い方でも良いのかも……?
ここまでの空気感から、なんとなくこの作品が緩い感じで進んでいくのかなと推測できます。
ギラフの「結構真剣な絶望の表情」ってどんな表情だろう……絶望はしているけど、完全にではない様子? でも真剣な顔? この部分、情報量が多すぎてイメージがしにくかったです。
キャラクターそれぞれの個性が尖っていて面白いですね。コミカルな雰囲気にぴったりだと思います。
アノールは本当に卑屈ですね。今のところあまり好きにはなれません笑
『「期待」されることに耐性が無い』。素直なところはあるんですね。感情が忙しい主人公です。
「緑の丘に風の吹く。」は、“風が吹く”の誤字でしょうか。
少女とのやり取りのテンポが良く、映像も鮮明に見えました。
特に「少女はバッと右手の~」からの展開にワクワクしました。これから能力者たちの活躍が始まりそうで、盛り上がりを感じられます。
次の展開にとても期待を持てます。
【二話目】第2話 別格の人間が傍にいるということ
「村への街道には兵士が列を作り行進していた」とありますが、読んでいて違和感を持ちました。その理由は「には」にあると考えたのですが、わからなかったので調べました。
“には” の “に”は、存在の場所・動作の向けられる場所を表しています。つまり、今回の場合、伝えたいことが「行進していた」という動作の向けられている場所(街道)だということになるようです。
伝えたいことが“動作・作用”であるなら、“では”という助詞を使います。ということで、伝える人の視点が「街道」なのか、「行進していた」なのかによって“には” か “では”を使い分ける必要があるのですが、私が読んだ感じだと“では”の方が適切なのかなと思いました。
選抜を前にテロリストの襲撃。能力者たちの能力はまだ伏せられていますが、彼らがアノールたちとどのように絡んでくるのか楽しみですね。
レオンは自分なりに悩んでいたんですね。でも自己犠牲というか、彼も卑屈なところがあるな……
「頬が地面を撫でる」、良い表現ですね。痛そう……
エールもアノールには選抜に受かってほしくないんですね。
アノールやエールは自分のために、レオンは自分以外のために、それぞれ考えていることが違うというこの関係性が面白いです。
【三話目】第3話 おおよそ全ての原因はアノールにある
「結局、自国クレアムルも~」の次の文にも「結局戦果は全て~」と同じ言葉が続いているので、どちらかの「結局」を別の表現に変えると良いと思います。
「——わ、わたし、わたしさっきの、凄く頑張った!」から、「そそくさと姿を消した。」までの部分ですが、ここの意味がよくわかりませんでした。
エールは何か精神的に負担がかかることをしましたっけ……? 私の読解力の問題かもしれませんので教えてください……
オニクスの能力はシンプルでわかりやすいですが、人の見つけ方が一風変わっていますね笑 一体ナニをもってして男の子だと判断したのでしょうか。
教会が敵軍に攻め込まれそう……
アヤメの「悲しみと誇らしさの混じった、複雑な微笑み」。どんな顔だろう。微笑んでいるから誇らしい気持ちが勝っているのかなと思いました。
物乞いの男の子はレオンですね。なぜアノールがレオンばかりに影響されたのか気になっていましたが、身近な環境で一緒に生活してきたからということだったんですね。
【四話目】第4話 選抜の儀式
「教会は中央のところでカーテンがかけられ二分されていた」は、ちょうど建物の中心を割るようにカーテンで遮られているのをイメージしましたが、合ってるかな……?
「……と、はいえ」は読点がない方が自然な気がします。
今更ですが、心理描写が丁寧でそれぞれのキャラクターがどんな意思をもって行動しているかがはっきりとわかることが多いというのが、物語に深みを持たせていますね。人間関係という観点から面白くすることに成功していると思います。
アノールやったか? と思いきや合格はレオンでしたね。んー、やっぱりかという感じです……
――え!? レオンと同じく、私も驚きました。
まさかのエールも能力を授かることに!? この展開は予想外でした。こんなことって……
アノールに手を差し伸べるヨルノ。なんとなくアノールとレオン・エールの関係が悪化する方向に向かっていそうですが、果たして……
【五話目】第5話 それでも主人公は彼なのだから
「影を伝うようにして、その人物へ振り返る」という表現が素晴らしいですね。影が長く伸びている様子がイメージできます。
影の主の、執事のような「丁寧な礼」。「執事がそうするように」があることで、細かい動きが伝わります。読者の想像力を借りた表現方法ですね。
「失礼を承知で、儀式の場に土足で失礼します」が、「失礼」が被っているので言い方を変えるのもありだと思いますが、これは好みの問題ですかね。
教会がピンチ! どうなったのか気になりますが、場面が変わりましたね。次に映ったときにどんな結果になっているのか、妄想がはかどります。
「思考のセンス」を褒められていい気分になるアノール。彼はネガティブなのかポジティブなのか……感情の動きが目まぐるしいですね。
ヨルノの行動が可愛らしいですね。言ってることは物騒ですが、そのギャップが良いです。
お母さん!? なんかスムーズに刺されてびっくりしました。淡々とした文章から、ヨルノがアヤメを刺すことに対して何とも思っていないかのような冷たさを感じました。
目の前で母親が殺されたら気が狂いそうですが、アノールは強い精神力を持っているようですね。今までもそうですが、気持ちの切り替えが上手というのでしょうか?
よく言えば立ち直りが早い、聞こえ悪く言えば何に対しても意外と無関心なところがあるというイメージです。
あちこちで戦いが始まっていますね。
【六話目】第6話 三者ボロボロ血塗れの修羅場
アノールの非力なりの攻撃。こういう、普通にやって勝てない相手に醜くも抗う構図が個人的に好きです。応援したくなりますし、予想がつかない展開にワクワクします。
「ヨルノはその姿勢から、自分の右手で~」のアノールを押し飛ばす一連の動きがよくわかりませんでした。最初、「自分の胸がヨルノの背中に付く体勢」とあるので、背負い投げをするつもりなのかと思いましたが、「押し飛ばした」ということは、背中でタックルしたということでしょうか。
丁寧に描写されてはいるのですが、何が起こったのかが読み取れませんでした。
「そのまま懐に潜り込むたでもあったのか」は、“潜り込むためでも”の脱字です。
ヨルノの能力についてもそうですが、彼女の人間的なミステリアスさが不気味ですね。
本心かはわかりませんが、アノールが憎いはずのヨルノを「魅力的に」感じてしまうというのが恐怖を煽ります。
「砂埃。ギラフはヨルノに蹴り飛ばされた」ですが、これは蹴ったのはヨルノではなくエールでは……?
急に異能全開の展開ですね。エールがすでに能力をそれなりに扱えているのもすごいですが、ギラフの毒性の能力も魅力的ですね。砦を落とすのも簡単にやってのけたのでしょう。
「〝魔女のよすが〟」の目的とは……
そして、アノールは自身の生きる意味を見出すことができるのでしょうか。
前半はここまでです! ありがとうございました!
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