【第五回】 鬼のいぬまに
今回は、しまうま 様の「鬼のいぬまに」をレビューします。
作品はこちらです↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888578336
それでは読んでいきましょう! よろしくお願いします!
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タイトルを見た感じ、鬼退治というよりも鬼からコソコソと身を潜めるお話でしょうか。
紹介文は簡単なあらすじですね。どうやら鬼に一人の青年が立ち向かう物語のようでした。
ジャンル、タグにあるように、“日本の室町時代によく似た異世界ファンタジー”ですね笑
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【一話目】第1話 黄金と黒
老爺の代わりに、二週間も牛の世話をした旅人の青年。優しいですね。
開幕から青年がどんな性格なのかが少しわかります。
牛を売ると大金になるんでしょうか。そう考えると、老爺が青年に特大の感謝を述べるのも納得ですね。
町の雰囲気は和やかですね。平和な感じがします。
牛は生贄のような扱いなのでしょうか。室町時代にそういう風習があったかは知りませんが、古来の伝統的なイベントっぽさが良いですね。
急に暴れる牛。
「だが突然~」の次の段落で、また「後方から突然」と、“突然”が短い間に二回出てきているので、二つ目を別の言葉に変えるか、もしくは二つ目はなくても良いのではと思いました。叫び声は大抵、唐突に聞こえてくるものなので、それで伝わると思います。
「お囃子の音を遮る恐怖の音色」、相当な恐ろしいことが起こる予感……
「綺麗な弧を描き」ながら足元に転がってきたのは、「綺麗な」とはかけ離れた無惨なモノ……この対比が良いですね。動きが止まって初めてそれが何かを理解したような恐怖がイメージできます。
ここまで展開がとても速いですね。ただ、情報量は多くないので、置いていかれるということはないです。テンポよく読めます。
家を破壊して登場した大男。
「だが、その全身の~」の「だが」はどこにかかっているのでしょうか。例えば、家を破壊して現れたのが“どこにでもいそうな背丈の人間”であれば、その異様な見た目に対して“だが”を用いることはできると思います。しかし、今回の場合は「3m程の大男」という、明らかに普通の人間じゃないことがすでに身長から判断できてしまうので、「だが」に違和感を持ちました。
数を表すときに、漢数字とアラビア数字両方が使われていますが、何かこだわりがあるのでしょうか。
鬼が現れましたが、その対策を町人たちは心得ている様子。
鬼、頑丈すぎますね……これは勝てないと町人たちもわかっているだろうに、なぜ立ち向かうのか……
その答えは単なる時間稼ぎでした。
ここら辺の、町人が鬼に向かっていくシーンですが、女性や子供たちが一目散に逃げていく描写があると、よりリアルになるかもしれませんね。
青年は鬼や封師の存在を知っている様子……?
何か妙技を使えるのならもっと早く助けてほしい気もしますが、まあ相手は大鬼ですからね……
青年の持つ槍は鬼の攻撃を両端で受け止め、皮膚を貫くほどの強固さ。青年の正体は一体……?
「青年は槍を引き抜くと~」は、“青年が槍を~”の方が適切だと思います。“は”とした場合、青年のその後の行動を表す文が続かないとおかしくなります。“が”を用いると、青年が槍を引き抜いたことで、その後なにがどうなったかを表す文に繋がります。
鬼と青年の決闘が続きますが、もう一体の鬼は何をやっているのでしょうか。まさかもう一体の方はとんでもなく悲惨なことになっていたり……町人が心配ですね。
ここまで読んで、「そして」と「だが」が多いと感じました。文のつなぎがもっとスムーズにできれば綺麗な流れのある文章になる気がします。
私は作者様自身に考えてもらうことが大事だと思っているので、細かい部分以外は極力、文章を具体的にどう直せばよさそうかを伝えることはしていません。(自分だったらこうするよみたいな)
ですので、“じゃあお前だったらどうするんだよ! 伝子おい!”と思われましたら、コメントで言ってください。可能な範囲で、具体的な文章を提案させていただきます。
二体目の鬼登場! 新たな犠牲者は出ていないっぽいですね。
この物語は少々神視点強めの構成ですかね。視点についてはまだ勉強中なのではっきりとは言えませんが……
青年のピンチに駆けつけた四人の封師。もっと早くきてよ!
皆があれだけ苦戦していた鬼を簡単に封印してしまいました。
青年! 大変なことになっていますね。想像したくないけどつい思い浮かべてしまいます。私ってグロい描写が好きなのでしょうか。
「水墨画の筆遣いのように」、美しい表現ですね。ただのべた塗りな真っ黒ではなく、後ろがところどころ透けて見えるような不気味なオーラを感じられます。
「封師だけではない目の前の鬼も同様である。」とありますが、「封師だけではない」のところでの区切り忘れでしょうか。
青年は人間ではなかった……? てっきり青年は“基本等身大のスタンダードな主人公”だと思い込んでいたので、この展開にワクワクします。
「次の瞬間」もあまり間隔を置かずに使われていますね。
青年の明かされた真実。救世主ものかと思いきや、まさかの厄災ものでした。
エピソード前半のありがちな展開を一転。まるでそれがすべて前振りであったかのような見事な180度のちゃぶ台返し。この物語がどう動いていくのか、とても気になります。
【第二話】第2話 一人
青年の内なる鬼を封じると青年はどうなってしまうのでしょうか。
牛車から出てきた少女に心を動かされる青年。目の見えないキャラクターってやたら精神力強いですよね。目の見える人間よりもよっぽど物事の本質を見ているような、そんな感じです。
第1話もそうでしたが、人があっという間に死んでいきますね。儚きかな……
牛の鬼!? たぶん違いますがホルスタインじゃないですよね? でも牛の肌といわれるとあのかわいらしい模様をイメージしてしまいますが、どうなんでしょうか。
青年の意識が……あっ、この展開は。嫌な予感しかしません。
善良な人間に化け物が封印されていて本人にその自覚があるキャラクター。ドラゴンボールのタピオンを思い出しますね。マニアックですみません。
青年が両親を知らない理由がなんとなくわかってしまいます。ハンカチの準備を……
少女も特別な力を持った人間だったんですね。どうやって生き残ったんだろう?
「日は既に傾き」、なんか既視感? と思ったら、第1話の青年が意識を取り戻したところに「既に陽は傾き」という表現がありました。これに関しては個人的に気になっただけです。他の読者が、ん? となることがあるのかはわかりません。
【三話目】第3話 二人
少女がまさかの強キャラだった!?
「壊そうとしていました」と断定しているのは、実は目が見えているとか……?
それとも状況を把握できる特殊な能力を持っているのでしょうか。
鬼はどこからやってきて、何を最終目的としているのか、後々明かされるかもしれませんが気になりますね。
「潜む鬼に食い荒らされていた」とありますが、この「潜む鬼」とは青年の中にいる鬼のことですよね? 一瞬考えてしまいました。
青年と少女の名前がわかりましたね。
名前も出てきたことだし、今後も活躍しそうだなと思う私ですが、この作品は序盤で大事に描かれていた老爺をあっさりと亡き者にしているので、油断はできないという緊張感があります。その点において、雰囲気づくりに成功しているような気がします。
森を抜けた場所にある城。これは少女の言っていた「
「牛鬼はその波打ち際に立っていた」。鬼灯が咲いている範囲のぎりぎり外側らへんに立っているのが想像できます。(うまくいえませんでした……)
「こちらが恐怖している事を楽しんでいる」ですが、今、視点は牛鬼に置かれているので、本当に楽しんでいるかどうかは牛鬼にはわかりません。したがって、断定よりも推量の意味合いを持たせることで、白の男のただものじゃない感じを強めることが出来ると思います。
危険そうな男が登場しましたね。青年といい勝負しそうなので、二人が出会う展開がはやく来ないかなと期待してみたり……
【四話目】第4話 鬼灯城
「見える景色を語りながら」で、情景描写があると二人の心境、この場合は青年(以後
少女(以後
「いつの間にか城主と100人ほどの~」のところですが、字下げがない or 改行ミスです。
「そんな会話が終わりを見えた頃」は文法として違和感がありますね。助詞を変えるか、表現を変えるべきだと思います。
今更の疑問ですが、時間帯がよくわかりません。前回のエピソードが夜で終わったため、今回の時系列がどこにあるか、いまいちつかめないまま進んでしまいましたが、鷹丸と晴姫は獣道を一晩歩いたということでしょうか。
弥太郎に連れられて城を後にした後ですが、ごはんが味気ないのに共感します。だって、今まで可愛らしい女の子と二人旅を楽しんでいたのに、急に全く知らない土臭い農民とデートですよ。晴姫とはあんな別れ方でしたし、気分も下がりますよ!
最後の展開、鷹丸はなぜ晴姫が危ないということに気づいたのでしょうか。
そして、晴姫を狙う白飾様(?)の正体とは。盛り上がってきましたね。
前半はここまでです! ありがとうございました!
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