第13話 なぜだか、赤いハイヒール

 今朝の夢~2023年6月17日。


・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・


 そこまでの経緯はよくわからんが、ある駅前に来た。

 そこでなぜか、あの児童指導員O氏に会った。

 話がしたいという。まあ、それはいい。

 私の被る山高帽=シルクハット風の帽子がどうのこうの。

 彼は、そんなことを言いだした。ナニユエまたそれを??

 なぜか、ある用水路の側辺まで移動した。


 用水路べりで、お互い少し距離を置いて立ち止まった。

 O氏に向かって、私は言う。

「その帽子なら、傷んだから10年以上前に処分しましたよ」


「いや、それではなく、ほら、丸いほう・・・」

 実は私、同じ頃にシルクハット風の山高帽だけでなく、

 チャップリンが被るような丸頭のハットも持っていた。

「それも同じ。とっくに処分しております」

 O氏に答えた。

 少し、お互い歩み寄った。


「いやあ、おまえの「世間性」ってものがなぁ・・・」


 彼は、何だかトンチンカンなことを言いだした。

 そのような帽子をかぶることが、世間性とやらに問題あるのか?


「世間性? くだらん。ゴミのような質問をするな!」


 そう言うが早いか、なぜか、赤いハイヒールの右側が用水に落ちた。

 少し向こうにはなぜか、透明なプラスチックの靴ベラも。

 手には、ビニール傘を持っていたっけ。

 幸い、この用水沿いにはフェンスがない。

~ 岡山という街の郊外には、こういう場所が存外多い。


・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・


 私は、とりあえず用水の中に下りた。

 砂は幾分積っているが、幸いにも上澄み部分はきれいな水が流れている。

 もっと言えば、砂も小粒でサラサラした感じ。危険物は、特にない模様。


 まずは、靴ベラを拾った。

 透明と言ったが、少し茶色の鼈甲風な色も白の中に幾分ついている模様。

 高級感のあるというか、昭和のジジ臭いというか、そんなシロモノ。

 そして、赤いハイヒールを拾った。

 赤いと言っても、上が赤く、下はなぜか白い。

 要は、赤と白のツートンカラーのハイヒール。

 別に、かかとは取れていなかった。

 そういえば、自分は左足にもハイヒールらしきものを履いていた。

 確か用水に入る前に、そちらは脱いでいたはず。


・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・


 回収すべきものは回収した。私は用水から陸に上がった。

「そうか・・・」

 O氏は何か言いたげだったが、それ以上何も言っては来られなかった模様。

「何が世間や。笑わせるな! わしにはおまえらのホザく社会に用などねえ!」

 そこまで言ったような気もする。


・・・ ・・・ ・・・・・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・・


 そうこうしているうちに、目が覚めた。

 ふと、今朝公開した作品を思い出した。

 なるほどな、そういうことだったのか。


・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・


 1974年6月時点で走っていた列車のことを思い出した。

 博多発岡山行の寝台特急「月光1号」は岡山県内に入る手前。

 車内の灯りが再び照らされ、鉄道唱歌のオルゴールとともにこの先の接続案内が始まるという、そんな時間帯に、あの夢を詩にして後世に残すことができた次第。

                              (おわり)


・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・


 参考リンク

https://kakuyomu.jp/works/16817330655162797754/episodes/16817330658575431807

↑ 養護施設「自由の森」 第78話 42年後の報復

 こちらが、そのトリガー(引き金)? となった、本日付公開の詩です。


https://kakuyomu.jp/works/16817330653026911075/episodes/16817330653133449830

↑ 寝台電車の昼と夜 

 第16話 朝の車内放送。そして、鉄道唱歌のオルゴール。

  ふと思い出した。そういえば、そういうじかんだな、ってこと。

  夢の中以外は、鉄道唱歌オルゴール拍子を活用しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る