2.アナグラムーサブリミナル大作戦
それでね、私は素晴らしい作戦を思いついたのよ。
そしてね、さっそく、私の大傑作小説をカクヨムにアップしたの。それはね、こんなお話なのよ。
**********
私はゲームが大好きなゲームオタク。
今日もお店で、初めて見るゲームを買ってきたの。で、さっそく、家でそのゲームをやっていると・・・あ~ら、不思議。いつの間にか、私自身がそのゲームの世界に入り込んでいた。そう、これは、プレーヤーがそのままゲームの中に入り込んでしまう危険なゲームだったのよ・・・
そしてね、そのゲームの中では、プレーヤーは、ゲームの場面場面で巧みに隠されている星を見つけていくことが義務付けられているの。星を見つけると、パワー値がアップして、プレーヤーはどんどん強くなっていくのよ。そして、パワー値が10,000を超えると、そのプレーヤーは無事に元の世界に戻れるのよ。でもね、場面ごとに規定時間が設定されていて、その時間内に星を見つけられないと、パワー値がどんどん低下していくの。・・・そして、パワー値がゼロになると、ゲームの中でプレーヤーが死んでしまうのよ。そうなると、プレーヤーは二度と元の世界に戻れなくなってね、一生、奴隷として、ゲームの世界で働かされるのよ。どう恐いゲームでしょ!
でもね、私はゲームの達人なのよ。隠された星を見つけるなんて、モーニングの前のネス〇フェ、つまり、朝飯前というわけなのよ。
で、今日も新しい星を見つけたわけ。それで、私の口からね、勝利の
こうして、ゲームの世界で、私のメスの雄叫びは続いたのよ。
「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」・・・・・ってね。
そして、ついに、私のパワー値が10,000を超えたんだけど、私は何だか物足りなくてね。そのまま、ゲームの世界に留まることにしたんだ。
こうしたわけで、ゲームの世界では、私のメスの雄叫びがいつまでも続いたのよ。
「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」・・・・・
そうしてね、いつしか、私はそのゲームの世界で女神になったのよ。眼が身、違った、女神になったんだから、もうこのゲームは私の自由自在。そして、「星を見つけた。強くなるわ」というのが、女神の私を崇拝するための、ゲームの中の共通の合言葉になったのよ。
で、今日もね、私の支配するゲームの世界では、私を崇め奉る合言葉があちらこちらで響いているのよ。
「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」。「星を見つけた。強くなるわ」・・・・・
すると、他のゲームが、私のゲームを侵略してきて・・・女神の私は、私のゲームを守るために立ち上がったのよ。そして、私は私自身を崇め奉る「星を見つけた。強くなるわ」という合言葉を使って・・・
(概要は以上よ。この続きは私がアップした大傑作小説を読んでね)
**********
どう? この私の大傑作小説の概要を読んだ、あなた。この小説に☆を付けたくなったでしょ。それも、カクヨムの最高の賞賛である、三つの☆をね。
えっ、どうしてかって?
それはねぇ・・・「星を見つけた。強くなるわ」っていうのは、アナグラムになってるの。アナグラムっていうのはね、文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味の文を作ることなの。 一種の言葉遊びね。
つまりね・・・
星を見つけた。強くなるわ・・・
ほしを みつけた つよく なるわ・・・
ほしをみつけたつよくなるわ・・・
入れ替えて・・・
ほしをみつつけたくなるわよ・・・
ほしを みつ つけたく なるわよ・・・
星を 三つ 付けたく なるわよ・・・
☆を三つ付けたくなるわよ・・・
というわけなの。つまり、『星を見つけた。強くなるわ』という文が、『☆を三つ付けたくなるわよ』という文に変わってしまうの。だからね、私のこの小説を読んだ人は、誰でも自然に☆を三つ付けてしまうのよ。
で、私はアナグラムなんて、全然知らなかったんだけど・・・実は、有名なラジオ放送局『ラジオやりっぱなし』で『
https://kakuyomu.jp/works/16816927862654115962/episodes/16817330653617951259
アナグラムに馴染みのない方もいらっしゃると思うから、『
『お琴が消えた』という文は、ひらがなで書くと『おことがきえた』。この文字を入れ替えてアナグラムにすると・・・
『おとがきこえた』→『音が聞こえた』
『おとこがきえた』→『男が消えた』
『おがきえたこと』→『尾が消えたこと』
『おがきえたとこ』→『尾が消えたとこ』
『たことおきがえ』→『タコとお着換え』
『お琴が消えた』という文が『タコとお着換え』に変化したら、誰しもびっくりするわね。これがアナグラムなのよ。
それで、今回の作戦は題して、アナグラムーサブリミナル大作戦。
実はね、私は前回、お星さまを読者からもぎ取るために、サブリミナル大作戦というのを展開したのよ。だけどね、さっき言った永嶋良一っていうアホバカ作家が現われて、私の作戦を滅茶苦茶にしちゃったというわけなの。詳しくは前記の『同情するなら☆をくれ(カクヨム☆取奮闘記・異聞)』を読んでちょうだいね。
で、今回、私は反省したのよ。サブリミナル大作戦って、ちょっと単純すぎたなぁってね。そこで、アナグラムとサブリミナルを組み合わせた、今回のアナグラムーサブリミナル大作戦を思いついたというわけよ。こうすると、サブリミナル効果を狙っていることが見つけられにくいわね。
そして、『星を見つけた。強くなるわ』を何度も読むと、そのアナグラムである『☆を三つ付けたくなるわよ』が、サブリミナル効果になって、読者の頭に刷り込まれいくのよ。その結果、みんなが私の小説にお星さまを三つ付けるというわけなの。
どう、完璧な作戦でしょ。
これで、お星さまをバッチリいただきよ。
明日、カクヨムの結果を見るのが楽しみねエ。
私は拳を天下高く突き上げたわ。そうすると、乙女にあるまじき、お下品な言葉が自然に私の口からほとばしったのよ。
「ワハハハハ。カクヨムの編集部め。アホバカ永嶋良一め。カクヨムの無知な読者め。見ていやがれ! このアナグラムーサブリミナル大作戦で、お星さまをバッチリいただきよ。ワハハハハ。オメエら、ざまあみやがれ! アハハハハ・・・」
(次回に続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます