異世界短歌
月井 忠
カクヨム短歌・俳句コンテスト
携帯を 横から照らす ハイビーム 振り向く先に フロントパネル
光満ち 開く視界に 魔法陣 耳をつんざく 成功!勇者!
王、命ず 魔王討伐 無理と拒否 気づけば牢屋 初めての夜
森を抜け 先を行く背に なぜと聞く 私も同じ 答える彼女
朝焼けの 山の村から 響く声 駆けつけ見るは 小鬼の暴威
立ち向かい 震え隠すも 役立たず 人も小鬼も 等しく
二人して 剣を携え 馬車の上 魔物狩りつつ 巡る村々
風に聞く 魔物の正体 元は人 迫害の果て 追われし人ら
剣を捨て 赤い山にて 鍛冶に乞う 破れぬ盾と 鎧一式
森の奥 住まう彼らに 教え乞う 毒や負傷を 癒やす法術
川岸で 彼女と別れ 魔王領 物陰辿り 密かな歩み
囲まれて 牙、爪防ぎ 無抵抗 傷はなくとも 手鎖引かれ
魔王問う 声に押されて 足下がる ただ平和をと 声の限りに
取りすがり 一室借りて 初仕事 部屋の掃除と 魔物の手当
魔王領 経済破綻 自覚なし
対す王 罵り合って 物別れ 机を挟み 年月重ね
争いは 絶えることなく 繰り返す 二人の王は それでも結ぶ
魔も人も 力を集い 空に道 彼女と開く 帰還の扉
目に光 白い病室
異世界短歌 月井 忠 @TKTDS
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