第5話【俺の戦術】

 リザードマンの2体が

さきほどまでとは違う形で俺を包囲した。

相手との距離は約2〜3メートルほどだった。。。


 リザードマン達は『AGI』上昇を利用し

俺の周りを素早くぐるぐると

円を書くように周っていた。。。

しかも、それには隙がまったくない…

おそらく下手に出れば横から背後から

一瞬で俺を槍で刺しにくるだろう。。。

しかも『AGI』が上昇しているが

故に避けることはかなり困難だ。。。

さてはてこれはどうしたものかな………


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


その一方で・・・・


リザードマンの「リルト」は考えていた。。。


『スキル』【瞬間加速】(アクセラレート)

だけは最後までは使わないつもりだったからだ。


どうして、最後まで使わないつもりだったのか。


 それは『スキル』【瞬間加速】は

強力な『スキル』であるため。。。

 使用者の負担が激しい。。。

使ってから一時間ずっと使用していると

スタミナ切れになってしまうのだ。。

そして、それは死に直結する。。。


故に「リルト」は短期決戦で

終わらせたいと考えていた。。。


だがそれにはいくつもの問題があった。

短期決戦にするためには自分達から

素早く仕掛ける必要がある。


そのためには相手の情報が必要だ…

その中で一つわかったのは…

あいつが魔法を行使することができることだ…

そして普通に距離をとられて戦われてしまえば

俺らには勝ち目がない………

だから『スキル』【瞬間加速】を使用することは

割と正しい判断ではあったとも言えよう。


しかし、まだ問題がある。

あいつはまだ『スキル』を

一回も使用していないということだ…


魔法を行使することができるものが

『スキル』を一個も手に入れてはないと

考えにくいことだ………


そしてその『スキル』によっては

戦況が一変する可能性があるということだ。。。


それと仲間が一人致命傷を受けたが。

今の状況を見るに我らリザードマンの方が

まだ戦況的には優位と言えよう。


我らはもう油断は絶対しないし

この隙がまったくない戦術では

相手も下手な手を出せば死ぬなと思っているはずだ


このまま少しずつ輪を縮め刺し殺してやる。。。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 「おい!人間この対高等戦術の前では

  貴様がいくら魔法を行使することが

    できても、我らには勝てんぞ!」


 「ふ…はははは。魔法一発であんなに

   負傷している奴がいるのに随分と

  強気だねぇ?……ボコボコにしてやるよ」


 「ハァン。人間ごときが我らを

    ボコボコにするだの?……

  できるものなら、やってみろ!」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 そして、ケイタは考える。

彼らが予想もつかないような攻撃の仕掛け方を…


 時間はない。考えろ俺、徐々に包囲は

縮まっている........!ん、この作戦ならいける!。


 この『スキル』と俺の『RES』値なら

この作戦であいつらリザードマンに

大ダメージを与えることができる!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


リザードマンの包囲が約2メートルまでに

縮まった瞬間…一体のリザードマンが

包囲の輪を乱し始めた………


 あいつ何をしているんだ!


このまま包囲を綺麗に縮めれば確実に殺れるのに

だが妙だな、このタイミング…

それにあいつ何かおかしくないか?

俺の方へと向かって来ているような……


グッザ…………ギシギシ…

なぜ…俺が…刺されて…いる………………


鈍い音がしたような気がした…

そちらを見ると仲間が負傷した奴を

刺殺していた………


そして瞬きをする間に人間の方へと

槍を向け突撃をしていた……


何が起きている!?…さっきまでとの

あいつではなくなっていることが

目が血走っているところからわかった……


そして次の瞬間仲間の槍が一瞬にして

人間にへし折られ…近距離で

下級魔法【火球】(ファイアーボール)を

仲間に叩き込んでいた………

自爆に近い攻撃だったはずなのに

人間には一切ダメージが通っていない様子だった…


なぜこんなことに………


一気に戦況が逆転したのであった…


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ケイタの作戦が成功した………


 ケイタが考えていた作戦とは

『スキル』【万端装甲】(ハンタンソウコウ)を

利用し、仲間内で争わせ。

ケイタの『RES』値の高さと

『スキル』【万端装甲】の『DIF』上昇効果を

利用することで自分に引き寄せた

リザードマンをタイミングを見計らって

自爆に近い攻撃で叩き込むものであったのだ。


だが全てがうまく行ったわけではなかった。


一体のリザードマンが残ったのだ。


『スキル』【万端装甲】を使用しても

反感状態にもならず、俺のところに

引き寄せることもできなかった…


 どうしてだろうか……


まぁ、とりあえず一対一の状態に

引き込むことができたのだ。


これで数の不利がなくなった。。。


 これでなんとか勝てそうだな。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


【END....】次回に続く…





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