BAD END特集(読む必要なし)

BAD END第1話 助けてください! 助けてください!

僕は渋谷の街で助けを探すことにした。


僕は渋谷のセンター街前のハチ公前の入り口にやって来て移動を始めた。渋谷の街で比較的穏やかな人がいそうな井之頭公園に行こう。


ここから勝ち上がるために、勝ち上がって魔王か神になるために僕は動くんだ。


井之頭公園には、大勢のカップルや家族連れがいるけど、西側の脇にテントハウスがあって、そこにフリマや暮らして行けない人たちのための木銭宿があるんだ。


そこにいる元浮浪者のおっちゃんとかは比較的僕を助けてくれる。


情けないけど浮浪者になった僕は同じく人生の荒波を乗り越えたおっちゃんに何度か助けられていた。


最初は人に助けられたって悪くない。クソゲーの魔王もはじめはLV1なんだから。


シュークリーム屋と服屋と楽器屋と、アクセサリショップを抜けて僕は歩く。僕は強い決意とともに道を一歩一歩踏みしめて行く。


最弱が最凶になるのは手段を選んでいられない。なんでもムチャクチャに利用するんだ。それが人に助けを求めることだって、悪くないじゃないか。


ただ、人通りの多い街並みを頑張って歩いているうちに、やる気を出したものの、腹が減ってお腹が鳴ってしまった。


ぷぅ


屁が出た。


なんで僕は屁ばかりするんだろう。気をつけているのに、屁がいっぱい出てしまう。それで揶揄われる機会が多いのにどうしようもないんだ。


僕が魔王になったら屁を止める研究を部下のモンスターにやらそう。


そんなことを漠然と考えていると、イチョウ並木が風に揺れてカサカサ音を立てる音が聞こえた。なんだか、夏が近いと思った。


ふと足を止めて僕はイチョウの木を見上げた。


そこで声が掛かった。


「あるぅえ? お前、タクローじゃん」

「なにやってんだよ。おめえよお。浮浪者よお」

「へええ。きっちゃなーーーい」


ハッと振り返るとヤツらがいた。タカオカたちだっ。


まずいッ


僕は慌てて後ずさろうとするけど、タカオカがスケボーを投げて躍るようなステップで、間近に迫って来て、僕の逃げ道を防いだ。


「まーーてよおっ。逃がさないっちゃ」


黒の無地のTシャツに、シルバーアクセつきのニット帽が間近に迫って来た。


しまったッ。


「よお。タクロー。お前まだ渋谷にいたのかよお。目障りなんだよ。お前。こっち向けや。ぶんなぐってやるっ。おら」

「やっちゃえっ。ブタなんて死んじゃえっつの」

「ひゅーーっ。楽しいゲームだぜぇ」


タカオカはセンター街で僕に殴る蹴るの暴行を与えて好き放題にした。武器を持っていないタカオカたちの蹴りや殴りは残酷で容赦がなかった。


ボコボコ ボコボコ


うぅう。ボロボロだぁ・・・


そのとき、倒れた僕はまた屁が出してしまった。魔王の僕が。悲しい。


ぷぅ


「屁こくな。でぶぅ。また、遊んでやるからな。ぎゃははは。そのままくたばれ」

「ばいびー」

「ちゃーーお。んちゃっ」


タカオカたちはそう言って、僕を痛めつけて去って行った。


僕はセンター街のメロンハウスというライブハウス前で動けなくなった。


涙が後から後から溢れて来る。僕は弱い。弱すぎる。


助けてください!


助けてください!


助けてください!


体もボロボロだし、おなかも減って動けない。


傷ついて大声で助けを求めるボロボロな僕に、ライブハウスから出て来た人は嫌な顔をして誰も助けてくれなかった。


腹が減った・・・・


腹が減った・・・・


・・・体がいた・・・い


うぅぅう・・・し・・・ぬ


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GAME OVER(ゲームオーバーです。以下に戻ってください)

https://kakuyomu.jp/works/16817330658204760533/episodes/16817330658205293451


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