20230601 短歌(一首)

斧田 紘尚

1.

透かしから

夜月よづき光芒こうぼう

蝉の羽月はづき


空を濡らすも

然りとて三十夜みそや


あわてんぼうの蝉はまだ6月だというのに地面から出て、梅雨の夜空を飛び回る。

まだ乾ききっていない蝉の羽はまだ透き通っていて、雲の切れ目から落ちる光芒がその羽を透き通す。

うっとおしい梅雨ではあるが、悪く無い三十日間の夜だ。

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20230601 短歌(一首) 斧田 紘尚 @hiroyoki_naoyoki

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