人気作者3名による特別座談会|カクヨムでの「収益化」の最前線を知ろう!(前編)
本座談会は2022年11月4日に「カクヨムからのお知らせ」で掲載しました。
今回はロイヤルティプログラムの広告費還元やサポパスの機能を積極的に活用している3名の人気作者をお招きして、座談会を実施しました。
カクヨムで収益を得ることに対する価値観や、サポパスへの向き合い方、具体的な取り組みまで幅広く、そしてざっくばらんにお聞きしました。
また、ところどころで、初公開の情報や最新の数値をトリが調査し、紹介していきます。
記事を最後まで読めば、カクヨムでの「収益化」の最前線が分かるはずです。
作者はもちろん、サポパスに加入している読者や、今後サポーターとして推し活をしてみたい読者の皆さまにとっても、気づきがあるかもしれません。
前編、後編、番外編に分かれていますので、最後までお読みいただければ幸いです。
◆座談会参加者
じゃがバター 氏(https://kakuyomu.jp/users/takikotarou)
代表作『転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054891139802)
百均 氏(https://kakuyomu.jp/users/hyakkin)
代表作『モブ高生の俺でも冒険者になればリア充になれますか?』(https://kakuyomu.jp/works/16816927859857723970)
富士田けやき 氏(https://kakuyomu.jp/users/Fujita_Keyaki)
代表作『カルマの塔』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054886943247)
【収入を得ることが、自信とモチベーションに】
――2019年より始まりましたカクヨムロイヤルティプログラム、まずはこちらに対する感想やカクヨムへの印象の変化についてお聞かせいただけますでしょうか?
じゃがバター:実は開始当時から知ってはおりました。ただ、それが『転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。』を書籍化したすぐ後のことで、この作品で参加していいのかな? という不安が先行してしまって様子見していたんです。その後、『山の中~』以外の作品に関しては自由にしていいかな? と思って、使わせていただくことにしました。どんなシステムなのか、実際に知ることができれば、自分がそれに対してどう感じるのかも分かりますし。
百均:元々自分は「小説家になろう」のほうで書籍化デビューして、そちらをメインにしていたんですけど、ロイヤルティプログラムが始まってから、カクヨムがより身近になりました。それまでカクヨム作品はランキングに載ったものを読む程度だったんですけど、カクヨムオンリーの作品を調べて読んだり、作家としてだけでなくユーザーとしての活用が増えましたね。
富士田:たまたまロイヤルティプログラムが始まって、利用させていただいている感じです。意識の変化ではないんですけど、今までずっと無償というか、趣味でやっていたものでお金がもらえる状況は衝撃でしたね。棚からぼた餅でお金をいただいて「ありがとうございます!」と。
トリの最新調査①
ロイヤルティプログラムでリワードを交換した作者は3,500人以上。たくさんのユーザーがカクヨムで書くことで収入を得ているよ。
◆KLPの現在地を示す3つの数字
◆毎月の付与リワード数推移(19/12~22/10)
――それまでは「ウェブ投稿をするだけでお金が入ってきたらいいのに!」と思うことはなかったのでしょうか?
富士田:当時は普通に働いていたこともあって、そもそもマネタイズというものへの意識が書籍化以外になかったですね。
百均:カクヨムがロイヤルティプログラムを始めるまではなかったですね。あくまで投稿サイトは書籍化しやすくなる場所と認識していました。どちらかと言うと、感想をもらえることのほうが重要でしたね。それが報酬というか。実際、なにも反応をもらえないのがいちばん辛いんですよ。書籍化もお話をいただくまで一切意識していなかったですし。
富士田:書籍化の意識は僕もなかったですね。作品がハネた瞬間は「もしかして行けるんじゃないか?」と思ったんですけど……心が弱かったせいで当時は感想にも目を通せませんでした。完全に趣味の域で書いていました。
――ロイヤルティプログラムで実際に収入を得てみて、いかがでしたか?
じゃがバター:わー、おこづかいだーみたいな(笑)。書籍とは違って、直接いただいている感があります。
百均:作品で収入が入ってくることが自信とモチベーションに繋がりましたね。
富士田:僕の場合、今はまだ全然ですけど、文章を書いて生活していけることを目標にしているんです。それがロイヤルティプログラムによって、書籍化していなくても食べていける可能性、商業のトレンドに乗らなくても生業としていける可能性が見えたのは大きかったですね。現在カクヨムで得ている収入には満足していますが、ハネた作品でほぼ食べさせてもらっているところがあるので、「そろそろがんばらないとな」と思っています(笑)。
百均:自分もロイヤルティプログラムの収入には満足しています。それはもう、お金はいくらあってもいいですけど(笑)。
じゃがバター:私も嬉しく思っております。
百均:それから、時代が変わってきたかなと思いました。中国では前々からそうしたものがあって、とんでもない額を稼ぐ人がいるとは聞いていたんですが、ついに日本でも始まったんだなと。
トリの最新調査②
「カクヨム長者」とまでは言えないけれど、まとまった金額を獲得する作者の数はどんどん増えているよ。
◆KLP年収100万円以上の作者数推移
――百均さんは書籍化もコミカライズもされていて、収入のポートフォリオが多様です。収入の道が一つでないことはプラスになっているのでしょうか?
百均:額によらず、少しでも創作で収入があるということには安心しますね。書籍が刊行されていなくてもコミカライズでお金が入ってくる、コミカライズがなくてもロイヤルティプログラムで収入があるというのは、作家としてちゃんと活動できているなという実感があって、自信とモチベーションに繋がります。
トリの最新調査③
コツコツ書き続けることが収益化のヒント。Web小説に年齢は関係ない。チャレンジする人みんなにチャンスがあるよ!
◆左:リワードを交換したユーザーの公開作品数 /右:直近30日エピソード更新数の分布
◆リワードで収益を得たユーザーの年代別グラフ
【自分という作家を選んでいただいたことが直接伝わる】
――今年の2月から開始したカクヨムサポーターズパスポートについて詳しくお聞かせください。サポーターからギフトやメッセージを贈ってもらうこと、いわゆる「推される」体験についてお話いただけますでしょうか?
百均:純粋に嬉しいですし、数ある作家さんの中から贈る対象として自分を選んでくださったことは本当に光栄だと思います。サポパスが始まってギフトを贈ってまで読んでくれる人がいることを実感できて、さらにモチベーションを得られた感じです。
富士田:ギフトによる応援のご意思とともに、もし可能であれば、作品への要望も、ぜひ一緒にもらえたらありがたいですね。。ギフトを贈られるだけだと逆に恐縮してしまうと言いますか。もしかしたら余計なことを考えないで書け! という意味なのかもしれませんけど。
じゃがバター:感想とかギフトをいただいたときは携帯にお報せが来るんですけど、とても嬉しいです。そこに感想がなくても、そういうことが苦手なのに応援してもらえているのはやっぱり嬉しくて。たまたま見かけたんじゃなくて、自分という作家を選んでいただいたことが直接伝わってきます。
百均:色んなパターンがありますよね。初回で長いメッセージをくださる方もいれば、毎回ちゃんとしたメッセージをくださる方もいますね。でも、ぶっちぎりで大量のギフトをくださるのに「応援してます」だけの方もいます(笑)。応援はしたいけど、返信で労力を使わせるのは申し訳ないので定型文しか送らない、という話は聞いたことがあります。
――なるほど。サポパスではメッセージをもらった作者側から返信できない仕様なので、そのあたりのお気遣いは大丈夫かなと思いますが。では、いただいた中で記憶に残っているメッセージはありますか?
百均:それまでカクヨムは全く読んでなかったけど、サポパスの限定近況ノートで先行公開している作品(※詳しくは後編で)のためにカクヨムへ引っ越してきました、というメッセージは嬉しかったですね。あと、「サポパスのためにクレカ作りました」と報告していただいたり(笑)。
※2023年6月現在、キャリア決済(auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)でもお支払いが可能です。
じゃがバター:初めての読者さんから最初にいただくメッセージは印象に残りますね。時々「生きる楽しみです!」とか、「この作品のおかげで乗り越えられてます」みたいなことを書いてくださる方もいらっしゃって、ありがたいんですけれども本当にこれでいいの!? って思うことも。プレッシャーにもなるし、モチベーションにもなるし、両方あるんですけれども、「色々迷いはあってもこの路線で続けてよかったんだな。じゃあ、頑張ろう」と思えますね。自信というか、安心感をもらえる感じです。私は更新したお話にいただく応援コメント、読むのを楽しみにしているんですよ。それがあるから次を書く、みたいな。ギフトのメッセージは更新した各話へのリアルタイムな感想ではなくて、作品全体や作者自身へのコメントが多いので、どちらも嬉しいですね。応援コメントは盛り上がりますし、メッセージは落ち着く感じがあります。
富士田:作品の設定に対する質問をいただいて、それが実は自分がなんにも考えてないやつだったりしたときには「やべぇ、分かんないな!」と。分からないし返信する手段もないし、胸の内にしまっておこうみたいな……。それがいちばん記憶に残ってるかもしれない(苦笑)。仕様として返信ができないので、質問系は別のところでもらえたらと思う部分もありますが、とにかくもらえるだけで嬉しいですし、熱い文章をもらえたら「やっててよかったなぁ」と思えますので。
じゃがバター:私も設定へのご質問は無茶苦茶あります! 私の憶えていないエピソードとか設定とか、いろいろご指摘をいただいております。憶えてなくて、すみません。
――「作者さんの方が覚えていない」はあるあるなのですね(笑)。後半は、限定近況ノートの使い方や、ギフトが作者に与える影響などについてもお聞きしたいと思います。
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