一泊の入院【番外編】

2024年4月2日の昼過ぎ。

それは、突然襲ってきた。


私は、気づいたら薬に手を染めていた。

精神薬のオーバードーズをしていた。

手を染めるきっかけや理由は無く、ただの自暴自棄によってこうなってしまった。


徐々に身体に影響が出始めてきた。

冷や汗と吐き気を伴い、私は恐る恐る救急車を呼んだ。

人生で初めて救急車を呼んだ日となってしまった。


20歳である私は、日赤の病院に運ばれた。

救命処置を行う場所で、胃の洗浄・点滴・血圧測定などを行った。

胃の洗浄は、とても苦痛を伴う処置である。

文字通り、胃の中に溜まった薬物を取り出す処置だが、鼻から管を通し、それは人によっては時間のかかる処置である。

私の場合は、二時間近くかかってしまった。

何故なら、市販薬ならまだしも、精神薬であったからである。


私が飲んでしまった薬は、バルプロ酸とラツーダの合わせて12,13錠。

バルプロ酸は、最悪の場合、死に至るケースが多いらしい。

要するに、飲み合わせが悪すぎた。


処置が終わると、体がソワソワして落ち着かなくなってくる。

診察が終わり、そのまま入院が決定した。

私は、普通の病棟では無く、HCU(高度治療室)にお世話になった。

ICU(集中治療室)の一歩手前の部屋である。


〈サイトから引用〉

たとえば、脳の血管が剥離しかかっていて脳出血を起こすリスクがある場合や消化器系の急性期や手術後など、明確な生命の危機があるわけではないけれども、重症になるリスクの高い患者などの治療が中心となります。


「重症になるリスクが高い」の選択基準は施設によって異なるため、HCUの特徴がわかりづらくなっている側面もあります。また、急性期の施設でICUもHCUも設置しているところもあれば、HCUだけを設置しているところもあります。


4月3日、私に襲ってきた症状は、体に力が入らない・舌の麻痺・足の歩きづらさ・頭が震えるなど。

なのに、どうして退院ができたか、私の強い意思と検査したものの結果が良かったからである。

精神科医の担当医と、その他関わってくださった先生方の、強く優しい対応が退院に繋がったのでは無いかと思う。


私は、過去に失声を経験している。

その頃と同じようなリハビリをしていかなければならない。

私は、防衛反応の為に微熱が出ている中、この話を書いた。


オーバードーズの恐ろしさを、そして、今後の為にも、正しい知識を身につけて、

用法・量を守って、これからも薬と向き合わなければならない。

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感覚麻痺 灯刳さん。 @Higure__san

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