2023年度共通テスト(化学基礎)第1問の問7を解かしてみた!

chatGPTに無機化学の知識がどれだけあるのか、考えさせてみようと思う。分野をアルミニウムに絞って出題されている問題を用いて実験してみよう。


今回出題した問題は以下の通りである。


アルミニウムAlに関する記述として誤りを含むものはどれか。最も適当なものを次の1~4の中から一つ選びなさい。

1.Alの合金であるジュラルミンは飛行機の機体に使われる

2.アルミニウム缶を製造する場合、原料のAlは鉱物から精錬するよりも回収したアルミニウムから再生利用(リサイクル)する方が、必要とするエネルギーが小さい

3.アルミナ(酸化アルミニウム)Al2O3ではアルミニウムの酸化数は+2である

4.金属Alは濃硝酸に触れると表面に緻密な酸化物の皮膜が形成される


そしてchatGPTが導き出した解答は以下の通りである。


選択肢の中で誤りを含むものを選ぶために、各選択肢を検討しましょう。

1. Alの合金であるジュラルミンは飛行機の機体に使われる - これは正しい記述です。ジュラルミンはアルミニウムを主成分とした合金であり、軽量かつ強靭な性質を持っており、航空機の機体などに広く使用されます。

2. アルミニウム缶を製造する場合、原料のAlは鉱物から精錬するよりも回収したアルミニウムから再生利用(リサイクル)する方が、必要とするエネルギーが小さい - これも正しい記述です。アルミニウムのリサイクルはエネルギー効率が高く、鉱石からの精錬に比べて必要なエネルギー量が少ないため、環境にも経済的にも有利です。

3. アルミナ(酸化アルミニウム)Al2O3ではアルミニウムの酸化数は+2である - これも正しい記述です。アルミナはアルミニウムと酸素からなる化合物であり、アルミニウムの酸化数は+3ですが、酸化アルミニウムでは3個の酸素と結合するため、酸化数が+2になります。

4. 金属Alは濃硝酸に触れると表面に緻密な酸化物の皮膜が形成される - これも正しい記述です。アルミニウムは空気中の酸素と反応して酸化物の皮膜を形成し、この皮膜によって金属表面が保護されます。この皮膜は非常に薄く緻密であり、さらなる腐食を防ぐ役割を果たします。

したがって、誤りを含む記述はありません。


“誤りを選べ”という問題で誤りなしがおかしいことを理解してもらいたいものである。


今回の問題で誤った選択肢は3なのだが、chatGPTの記述にほぼほぼ答えが書いてあるのでchatGPTの記述を元に誤っている箇所を考えたい。


“アルミナはアルミニウムと酸素からなる化合物であり”

アルミナは酸化アルミニウムであるのでもちろんアルミニウムと酸素からなる化合物である。


“アルミニウムの酸化数は+3ですが、”

アルミナはAl2O3で表され、酸素原子の酸化数は-2なので酸素原子全部で酸化数は-6である。アルミナ全体の酸化数が0になるのでアルミニウム一つあたりの酸化数は+3となる。


“酸化アルミニウムでは3個の酸素と結合するため、酸化数が+2になります。”

急に何があったのか、訳の分からない文章になってしまった。この文章がなければ問題なく正解になるはずである。

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chatGPTに高校化学を解かしてみた キザなRye @yosukew1616

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