2023年度共通テスト(化学)第4問の問2を解かしてみた!

有機化学の構造推定はハードルが高そうなのでまずは正誤問題に挑戦してもらった。


今回取り組んでもらう問題は以下の通り。


芳香族化合物に関する記述として誤りを含むものを次の1~4の中から一つ選びなさい。

1.フタル酸を加熱すると分子内で脱水し,酸無水物が生成する

2.アニリンは水酸化ナトリウム水溶液と塩酸のいずれにもよく溶ける

3.ジクロロベンゼンにはベンゼン環に結合する塩素原子の位置によって3種類の異性体が存在する

4.アセチルサリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えても呈色しない


chatGPTが出した解答は以下の通りになった。


選択肢の中で誤りを含むものを選ぶために、各選択肢を検討しましょう。

1. フタル酸を加熱すると分子内で脱水し、酸無水物が生成する - これは正しい記述です。フタル酸は加熱によって分子内で脱水反応を起こし、フタル酸無水物として知られる化合物が生成されます。

2. アニリンは水酸化ナトリウム水溶液と塩酸のいずれにもよく溶ける - これも正しい記述です。アニリンは水酸化ナトリウム水溶液や塩酸とよく溶ける性質を持っています。

3. ジクロロベンゼンにはベンゼン環に結合する塩素原子の位置によって3種類の異性体が存在する - これも正しい記述です。ジクロロベンゼンはベンゼン環に結合する塩素原子の位置によって、1,2-ジクロロベンゼン、1,3-ジクロロベンゼン、および1,4-ジクロロベンゼンの3つの異性体が存在します。

4. アセチルサリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えても呈色しない - これは誤りです。アセチルサリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると、紫色から青色の溶液が生成されます。この反応は、アセチルサリチル酸の有効な試験法の一つです。

したがって、誤りを含む記述は「4. アセチルサリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えても呈色しない」です。


解答の雰囲気だけを見れば一見合っていそうな気もするが、残念ながら間違っている。


正しい文章は以下のようになる。


2.アニリンは水酸化ナトリウム水溶液と塩酸のいずれにもよく溶ける - (誤)アニリンは塩酸には溶けて塩化物を生成するが、水酸化ナトリウムには溶けない。

4.アセチルサリチル酸に塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えても呈色しない - (正)塩化鉄(Ⅲ)水溶液はフェノール性ヒドロキシ基と反応して呈色する。アセチルサリチル酸はアセチル化してヒドロキシ基と無水酢酸が反応するので呈色できない。

したがって誤りは「2.アニリンは水酸化ナトリウム水溶液と塩酸のいずれにもよく溶ける」

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