第418話 探し物はなんですか?
一方自衛隊外局は。
テスト期間に入り青が合流するまでに、せめて今溢れていれるダンジョンの位置はつかもうと言うことになった。
方法は、環希の助言に従い『気配感知』。
そらがモンスターの気配を探り、濃い場所にアタリをつける予定だ。
スタンピードは止めなくてはならない。
止められるのは、レベル的にはそらと赤井兄妹くらいであり、なら、経験則を持つ青に担当してもらうのが良い。
ここ数日の学者達を導入しての怒濤の調査で、魔魚達はすでに雌雄を持ち繁殖し始めていると確認された。
それは生態系の一部に組み込まれたと言うことであり、更にプラスして生物としては大間違いの、
『ダンジョンから湧き出す』なんて増え方をされたら、既存の生命体に影響必至だ。
まだやり方は決まっていないが……
日本側にあれば青を投入。
ただ、韓国側なら通達だけして出方待ち。
更に境界線なら……
通達の上、領有権の折衝まであるだろう。
環境のことを考えても、
『日本側にあればいい』と思うが、祈ったところで始まらない。
とにかく、はっきりさせなければ……
最初、下関から『気配感知』してみた。
……
無理だった。
漁船に乗せて貰おうと思ったが、何かあった場合自由がきかない。
で、ヘリコプターをチャーターする。
自衛隊機だと目立ちすぎるから、民間の会社のものだ。
パイロットは桶谷。
実は桶谷は、あの代官山ダンジョンでのドローンの操作以来、操作系にはまっていた。
戦闘機までは無理だがセスナ、ヘリ、車なら大型特殊までいける。
凝り性……
と言うより、今回は嫁に付いていきたい執念か?
自衛隊外局、恒例の上層部一斉外出。
山賀一尉合掌。
ただ、毎度便利扱いの山賀のおっちゃん、近く三佐昇進が内定していたが。
ともあれ、ヘリで領海を行く。
足下の海を探っていたそらが、
「あ、ここだ、多分。」
と呟いた。
最初から韓国領は飛べないから、つまり日本の領海だ。
水深100メートル付近にモンスターの反応が固まっている。
たぶんモンスター自身、スタンピードで溢れ出したものの、環境の変化に戸惑っている。
動かず、じっと……
これが魔魚に変わるんだな、と理解した。
「あとは、どうやってスタンピードを止めるか、か。」
「青君投入は決定として、あの深さにどうやって送り込むか、だね。」
「うーん。」
考え込む桶谷だが、不意に気付く。
「そら?」
嫁が、前方を……
韓国側を凝視したまま動かない。
「竜斗さん。もう少し行けます?」
「あ、ああ。向こうまでは、まだ余裕があるから。」
言われるまま、韓国領に迫るヘリコプター。
そらが、
「面白いもの見つけた。」
と、ニヤリ笑った。
韓国側に、一体何があったのか?
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