第352話 プリンスとストーカー一歩手前と言うか『越えている』と言うか
誰かが一歩抜け出すと、騒ぎ出す外野には個人勢もいる。
「日本やったぁ‼️」
「強いぞ‼️日本‼️」
オリンピックか⁉️
みたいな単純な称賛や応援もあるが、羨んだり、妬んだり、一方的な恋愛感情を抱く、ヤバいタイプもいる。
あとは、実力を弁えず挑んでくるタイプ。
『堕天の夢』事件もあり、レベルが高い探索者は馬鹿な真似はしないのだが、初級を卒業した辺りの若者……
つまりは青と同年代が何組か挑んできた。
ダンジョン内で『決闘だ‼️』と挑んできた馬鹿パーティーは、
「なんで⁉️」
「俺の魔法が通じない⁉️」
「嘘でしょ⁉️」
いくら攻撃魔法を放っても、切りかかってもダメージ1つ通らずに、体力、魔力が切れるまで足掻くことを強制され、完全に『屈服』した。
人間なのに、でかミノさんとお揃いだ。
あの後、偶然ダンジョンであったら泣きじゃくって逃げた。
ま、まあ、探索者諦めないで良かったよ。
ダンジョン外で不意打ちを狙った連中は、全て捕まえてレベル剥奪。
ともあれ、この手の力押しの奴等は不意打ちが不意打ちにならない……
青には『気配感知』の能力があり、全てバレバレだから問題にもならないが、面倒なのはネット上にいる奴等。
ただ、あること無いことどころか、無いこと無いことを並べ誹謗中傷していた人々は、3日以内にサイトから消えた。
赤井兄妹がアメリカの永住権を得てしまったことで、移住を恐れる政府の方が本気になった。
片っ端から逮捕されたらしい。
勝手に恋人を気取りだした頭のおかしな女達の妄想日記も、全て削除の上処罰された。
ネット上で、ある種の犯罪予備軍の排除が進む中、
「うふふ。彼ったら奥手なんだから。」
と、市役所に出向いたのは、東白楽ダンジョンの受付の女。
31歳。
今の社会情勢から晩婚には当たらないが、それでも少しは『結婚』を意識していた。
そんな時にダンジョンで荒稼ぎしていた青と俊太のコンビを見かけ……
彼らが稼ぎ出す金額に見せられ、既婚の俊太はともかく青に近付きたいと願っていた時の、アメリカのダンジョン反転だ。
アメリカに『レベル剥奪のアンクレット』と、『鑑定モノクル』を売ったらしい。
『鑑定モノクル』だけで10億超。
懐かしい言い方なら『3高』の、ものスゴい優良物件だ。
いや、青は現役大学生で、『髙』学歴とまではいかないが。
で、彼女は奥手で自分を好きなはずの彼のために、婚姻届を代わりに出しに行き、逮捕された。
青の住所は……
かなりヤバくなっていたのだろう、『東京ディズニー○ンド』だった。
さすがの青も、ちょっと寒気がしたらしい。
「俺はミッキー○ウスかっ⁉️」
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