ほら…

「……」

街を歩いていると、シルクが突然立ち止まった。

「?どうした?」

「あ、カイラ様…えっと…」

シルクはモジモジしながら何かを言おうとしていた。

俺はそれを見て、シルクの近くに来た。

「なんだ?」

「…あ、あれが…欲しくて…」

シルクが指を指した方はアクセサリーショップだった。

…確かに、シルクはあまり着飾らない方だな…。

「…欲しいのか?」

「!…コクンッ」

俺がそう言うと、シルクは頷いた。

「…じゃ、買うか」

「え…で、ですが…」

「…主人命令、買うから欲しいのを言え」

「っ…は、はい…」

そうして俺とシルクはアクセサリーショップへと入った。

__

「へぇ、色々あるんだな」

「そうですね…」

俺はアクセサリーをまじまじと見ながらシルクにそう言った。

「で、どれが欲しいんだ?」

「あ、え、えっと…」

シルクが悩んだ結果、選んだのはペアネックレスだった。

「…もしかして…」

「はい、カイラ様と付けたくて…///」

シルクはポッと頬を赤く染めた。

「…じゃ、買うか」

「!…い、いのですか?」

「別にいいだろ、ネックレスくらいなら」

「そ…うですか…」

俺はシルクに外で待ってもらい、ネックレスを買うことにした。

「あ…そうだ…」

俺はシルクに似合いそうなものを見つけ、それも買うことにした。

__

「買ってきたぞ」

「あ、ありがとうございます…!」

俺はシルクにネックレスを渡した。

「…あれ?これ…」

シルクがネックレスを見つめていると、なにかに気づいたらしい。

「…KAIRA…って」

「あぁ、シルクの方には俺の名前を彫ってもらった」

「え…じゃあ…もしかして…」

「あぁ」

俺はシルクの名前が彫ってあるネックレスを見せた。

「…!」

「あ…いや、だったか?」

俺がそう聞くと、シルクは首を横に振った。

「いえ…嬉しいです…ありがとうございます!」

シルクはそう言い、俺に笑顔を見せてくれた。

「っ…そ、うか…」

「……あ」

「?」

俺は思い出したかのようにシルクの耳を触った。

「え…あ、あの…?」

「動くなよ」

俺はそう言い、シルクの耳にイヤリングをつけた。

「……へ?」

「アクセサリーショップに売ってあったやつ。紫水晶なんだが…シルクに似合いそうだったから、買ってみた」

俺がそう言うと、シルクは俺に抱きついてきた。

「うわっ!?」

「嬉しいです!私、このイヤリング…死ぬまで…いいえ…!死んでも使い続けます!」

「死んでも!?!?」

「はいっ!」

シルクはまた笑顔を見せてくれた。

「っ…じ、じゃあ…か、えるか…」

「はい、昼食の準備もしなくては…」

…そうして、俺とシルクは屋敷へと戻った。

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俺のメイドが吸血鬼でヤンデレで最強な件… 紫川 雫 @shikawashizuku

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