第14話 一ノ瀬との昼休憩

「まぁ、オレの件はいいとして一ノ瀬は何をあの時言いたかったんだ。」


 俺は、自分の疑問も解決したことだし本題に入ることにした。前川を、誘わなかったのも一ノ瀬が何を相談するのか分かっていないからだ。


 他人に言いたくないことかもしれないし...


「...妹さんと家で何してるの?」



 一ノ瀬は、真剣な表情で聞いてくる。


 茜といい、一ノ瀬といい、最近周りの人たちの気持ちがわからなくなってる気がする。


 これは、ただの世間話ということ?それとも、妹のことをただ単純に知りたいと思ってるのか。


「えっと…特に変わったことはしてないけど」


「詳しく休日の過ごし方を教えて。」


 一ノ瀬さんは、いつになく真剣な表情で聞いてきた。


 休日の過ごし方なんて、あんまり決まっていないし、聞く意味もわからないんだけど…


「…朝起きて、ご飯食べてダラダラしてご飯食べ…」


「そういうことじゃない。妹さんとの関わり」


「基本的には、リビングで喋るしか関わってないけどな…たまに、一緒にどっか行くくらい?一般的な兄妹だと思う。」


「1日どのくらい一緒にいる?」


 思った以上に、一ノ瀬さんはこの話題に興味津々だそうだ。


「8時間くらい…?」


「…分かった。」


 そう言って、一ノ瀬は満足したのか食事を再開した。本当に女心が分からない。今の質問は、何か意図があるのだろうか?


「何でそんなこと聞いたの?」


「あなたが、しっかりしていないから。」


「何だよそれ」


 笑いながら、ツッコミのように言ったがこの男は本当に意味がわかっていない。


「あと、これから妹さんと関わる時間を減らすように。8時間は長すぎます。」


 一ノ瀬は、至って真剣な表情で喋り続けた。いや、父親からもっと仲良くなるよう言われているんだけど…


「長くても少し仲のいい兄妹なだけだし問題なんてないんじゃない?」


「貴方がそう思っていても相手がどう思っているか分からないでしょ。」


 鋭い言葉が一ノ瀬から帰ってくる。確かにそうだ。俺は、茜のことを可愛い妹と思っているが、茜からは汚点としか見られてなさそう。


「確かに心当たりがあります。」


「じゃあ黙っていうことを聞いて」


「はい。」


 最近、一ノ瀬も茜化してきてる気がする。どんどん命令口調になってる気が…まぁ、精神がまだ安定してないからかもしれない。


 いつか優しくなるだろう。…なるよな?


 そんなことを考えているとー


『2-bの如月健人、至急職員室まで来なさい。』


 デジャブのような放送が響く。どうせ、佐川さがわの件だろうけど…大まか、どちらが犯人か話し合いで決めるのだろう。


「後で何で呼ばれたか聞くから今回は嘘をつかないでね。」


 一ノ瀬さんはそう言って、俺にジト目を向ける。そう言えば、前回は変なプライドのせいで荷物を取りに行ったって言ったんだった。


「了解。」


 俺はそう言い残し、彼女を置いて職員室に向かった。


———————————————

だいぶ空いてすみません。🙇全然覚えてないと思いますが、読んでくれると嬉しいです。

後、3話程度の短編を書くつもりなので読んでくれたら嬉しいです。↓

『追放された悪役令嬢を幸せにしたい』

https://kakuyomu.jp/works/16817330661734832757

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

義理だと知って距離を置いたら、溺愛していた妹がデレてきた。 @aiueo10

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ